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中国の経済成長が目覚ましい。また、外務省が2017年に発表した「中華人民共和国(People’s Republic of China)基礎データ」によると、その人口は約13.76億人と世界最高で、さまざまなビジネスの巨大なマーケットになる可能性を秘めており、各国の企業が中国に進出、あるいはビジネス開拓といったことにやっきになっている。
それはわが国も例外ではなく、このようなビジネス交流が盛んになるとともに、在日中国人が急増している。法務省が2017年12月に発表した「国籍・地域別 在留資格(在留目的)別 在留外国人」によると、その時点での在日中国人は73万890人となっている。このように、多くの中国人が在留しているが、言葉や文化の違いで、在日中国向けのビジネスで苦労している人も多いのではないだろうか。
そんな人に朗報だ。企業とファンの最適な関係構築を支援するアライドアーキテクツ株式会社は、在日中国人と直接的につながり、実際の体験に基づいた商品・サービスの「簡体字クチコミ」を短期間で収集・活用できる越境プロモーション支援サービス「チャイナタッチ」の提供を開始した。
中国人向けクチコミ生成を安価で短期間に実現するサービス
「チャイナタッチ」は、日本のモノ・コトに対してリアルな視点や感覚を持つ全国の在日中国人に向けて、モニターサンプリングやイベントへの招待といった形で商品・サービスの「体験」機会を提供し、中国で一般的に使われる「簡体字」でのクチコミ生成を安価かつ短期間で実現できるサービスだ。
生成されたクチコミは「微博(Weibo)」や「微信(WeChat)」など中国の大手SNSや近年急成長するSNS型ECアプリ「小紅書(RED)」で広告コンテンツとして拡散したり、越境ECサイトにコンテンツとして掲載したりと、自由に二次利用することができる。
同社が独自に保有する在日中国人ネットワークを活用することで、商品配送費や交通・宿泊費、商品説明に必要な翻訳などの金銭的・人的コストを大幅に削減しながら、中国の消費者に向けた認知拡大や理解促進に繋げることができるという。
「チャイナタッチ」で収集・活用できるクチコミコンテンツのイメージは以下のとおり。
- 商品サンプリングによるモニター体験記事
- 国内で行われる新商品発表会やリアルイベントへの参加・体験レポート
- 中国人をターゲットにした商品の開発・改善を目的としたアンケート調査データ
- 旅館・ホテルなどの宿泊施設や地方自治体による旅レポート
同社では、「チャイナタッチ」と連動した施策として、リアルな日本のモノ・コト情報を発信する中国人向けサイト「BoJapan(播日本)」(読み:ボージャパン)のベータ版を今年5月に開設した。
このサイトでは、化粧品をはじめとする日本のさまざまなモノ・コト情報のほか、在日中国人を対象に商品・サービスのモニター体験などができるキャンペーン型コンテンツを掲載している。すでに約1,000人が会員として登録している。
「チャイナタッチ」では、この「BoJapan」上にキャンペーン型コンテンツを掲載することで在日中国人の会員ユーザーに情報を発信し、「体験」機会の提供を通じたクチコミコンテンツの収集に繋げていく。
今後は、「チャイナタッチ」でクチコミを投稿したユーザーの中から、特に発信力の高いユーザーや、高品質なクチコミ記事を執筆できるユーザーに向けて企業からプロモーションのオファーができる「インフルエンサー機能」(仮)の搭載なども予定しているという。
中国人インフルエンサーを活用したクチコミコンテンツ
同社では、中国に向けた越境プロモーションには、多数のフォロワーを抱える中国人インフルエンサーを活用したクチコミコンテンツの生成・拡散が効果的であると考えているという。そのため、このような施策を支援するサービスを幅広く提供し、美容・食品メーカーを中心に多数の企業が導入している。
その一方で、近年、日本の商品・サービスに対してリアルな視点や感覚を持つ在日中国人の影響力や発信力に注目が集まっており、これに着目したサービスも複数生まれている。
同社では、これまで国内においてSNSキャンペーン支援などを通じて累計4,500万件以上の「生活者と企業のつながり」を創出してきた実績やノウハウを活かし、キャンペーン型コンテンツを通じて在日中国人の独自ネットワークを構築することで、多額のプロモーション費用や時間・手間をかけることなく、効果的な越境プロモーションを実現できるものと考えているという。
中国人の視点で行う効果的なプロモーション
冒頭でも述べたが、中国人は我々日本人とは全く異なる文化、習慣を持っている。このため、日本人の考える価値観やメリットなどが通じない場合も多々あるだろう。
今回の「チャイナタッチ」の最大のポイントは、「中国人インフルエンサーを活用したクチコミコンテンツの生成・拡散」という点だ。中国人にはやはり中国人の視点でプロモーションを行ったほうが効果的に決まっている。これから世の中はどんどんグローバル化していく。今後は、中国だけではなく、世界各国に向けた同様なサービスの登場が必要となるだろう。
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