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昨今では都心部の人口増加や不動産価格の上昇に伴った居住スペースの狭小化が進み、マンション居住者を中心としてトランクルームの需要が高まっている。
Eコマース普及の影響を受け、消費者がモノを購入する機会が増えていることによって自宅の収納が足りなくなり、今後もトランクルームへの需要は増加し、その市場が拡大することが予測される。
2020年には700億円を超える規模に。拡大を続ける日本のトランクルーム市場
居住スペースが狭くなっている近年の傾向と、メディア露出の機会が増え、サービス認知度が高まっていることが相まってトランクルーム市場は拡大を続けている。市場全体の店舗数は全国で8,700店舗に達し、町を歩けば必ず目にするファミリーレストランの店舗数(約9,700店※1)にも迫る勢いだ。
さらに、トランクルームという新たな収納に関する世間の需要は安定して増え続けており、まだまだ成長する余地が残っている。仮にこのまま市場の拡大が継続するとした場合、東京オリンピック開催年の2020年には、その市場規模は700億円を超える可能性があるとさえ言われている。
一方、10世帯に1世帯がトランクルーム(セルフストレージ)を使っているといわれるアメリカと比較して、日本の普及率は0.3%(350世帯に1世帯の利用)と先進国に比べると低い。この点からみても、日本のトランクルーム市場拡大の可能性がまだ十分に残っていると想定される。
成長産業に新規参入企業が出てくるのはつきものである。トランクルーム市場では様々な企業が乱立する中で、預けるだけではなく、付加価値のあるサービスの展開が必須と言えるだろう。
※1 日本フードサービス協会 2018年外食産業市場動向調査
キュラーズ、クルマ離れに対応するため無料のシャトルサービスを開始
トランクルーム国内最大手の株式会社キュラーズ(以下、キュラーズ)は、2018年7月18日から、顧客の自宅からキュラーズのトランクルームまで人と荷物を運ぶ無料シャトルサービスを開始。当初は、東京の中野・杉並・世田谷・渋谷・目黒区からサービス展開を実施する予定だ。
日本国内の自家用車の普及台数は近年減少を続けている。2006年の世帯あたり1.11台をピークとして、2017年には1.06台と18年前の水準にまで下がった。中でも東京都は、0.45台と全国最低を記録している。都心部を中心に、クルマを持たない世帯が増加し続けているのだ。
こうした傾向の中で、キュラーズでは利用者から荷物搬入時の運送サービスを要望する声が増えていたとのこと。すでに提携する運送業者による搬入サービスや、提携カーシェアの設置や特典付与といったサービス提供を行っていたが、社会情勢の変化や顧客要望の増加により、自社展開の無料シャトルサービスを提供するに至った。
日本最大級のトランクルーム「キュラーズ」とは
拡大し続けるトランクルーム市場の中で、キュラーズは全国に62店舗・36,000室を展開する日本最大級のトランクルームだ。自宅の収納代わりに、多くの顧客に利用されている。
キュラーズの主な特徴として以下3つをあげることができる
- 存在感
人口が密集した住宅街の中でも特に立地の良い場所で、視認性の高い看板を掲げた専用ビルにてトランクルームを展開 - 利便性
現地にスタッフが常駐し、即日での見学や契約ができる。さらに24時間荷物の出し入れを自由に行える上、荷物の運送に便利な無料駐車場も完備 - 快適性
トランクルームは清潔で明るい。また多重のセキュリティや集中監視システム下での温度・湿度管理を整備
キュラーズでは、トランクルームとしてビル1棟丸ごと活用することにより、収納専用に最適化された保管環境を実現した。
そして全ての店舗において、トランクルームでは業界初のBEMS(Building and Energy Management System)を採用。24時間365日を通じ、温度と湿度に関し、最適な状態に制御する環境を整えている。結果、顧客は、常時品質の高いセキュリティ・空調環境にて荷物を預けられるわけだ。
モノを預けるだけでなく「プラスアルファ」な付加価値をつけたサービスも
一方で、モノを預けるだけにとどまらないサービスも数多く存在している。たとえばアメリカの「Omni(オムニ)」では、倉庫に私物を預けるだけでなく、使っていない場合は他人に貸し出して小遣いを稼ぐことが可能だ。
日本でも個性的なサービスが次々と登場している。
たとえば「minikura tebura(手ぶら)TRABEL」はモノを預けられるだけでなく、旅行へ行くときに必要なものを選ぶと、専用のスーツケースへ入れ、旅先まで届けてくれるサービスだ。もちろん、旅行が終わったら倉庫へ返送することもできる上、洋服についてはクリーニングまでしてもらえる。このサービスを使えば、名前の通り手ぶらで旅ができるわけだ。
その他、同じminikuraシリーズでは、グループ限定のSNS機能・スケジュール機能などを追加した「クラウド部室」も展開。レンタル倉庫をベースに新サービスを積極的にリリースしている。
また預けたものをユーザー同士で売買することなどが可能な「Sumally(サマリー)」、そのSumallyにヤフオクへの出品などをオプションとして組み込んだ「Sumally Pocket」など、特徴的なサービスが他にも登場している。
日本のトランクルーム市場は拡大し、さらに便利に
今回紹介したキュラーズの無料シャトルサービスをはじめとして、ただモノを預けるだけでなく利便性にとんだサービスが続々と登場している。今まで価値を生まなかったものをアップデートさせるという視点による付加価値の創出なのだろう。
今後も発展し続けると想定される国内のトランクルーム市場において、ユーザーにとってうれしいどんなサービスが生まれるのか注目していきたい。
img:PR Wire