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現在、AIに関しては世界中がしのぎを削って開発競争を進めており、日本でも世界に遅れながらもその開発は活発化してきている。その市場予測の中には2030年には、市場規模が86兆円に達するのではないかと予想しているものすらある。(「AI関連産業は2030年に86兆円に 数字で見るAI市場」月刊事業構想 編集部)
AIの役割の大きなものとしては、人間の業務効率化に大きく寄与するということが挙げられるだろう。
一方、現代のような情報化社会では、企業にとって重要なのは、社内外の情報・知識資産をどう有効活用するかということが重要になってきている。
今回、AIベースのナレッジマネジメント事業を展開する米国のAllganize社は、これまで米国、韓国、日本においてβ版提供してきた「Allganize(オルガナイズ)」について、日本において正式版をリリースし本格展開を開始した。
AIが情報・知識資産の活用をリアルタイムで支援
Allganizeを利用することで、50%(同社調査)しか活用されていない社内の情報・知識資産を可視化・分析し、同結果および社員の業務内容、関連するマーケット内の情報をAIが学ぶことで、各社員の業務上における情報・知識資産の活用をリアルタイムで支援していく。
具体的なサービス内容は、以下の通りである。
- 様々なプラットフォームに分散され、これまで把握が困難であった「情報・知識資産に関する活用状況の可視化」
- 社員による社内外の「情報・知識資産の最新活用状況をAIが分析」
- メール確認時、ドキュメント作成時など、ユーザーにとって必要なタイミングに、必要な社内外の情報・知識、ドキュメントなどを「AIがリアルタイムレコメンド」
Allganizeの利用ケースとしては、
- 営業部門やマーケティング部門において、提案資料などの重複作成をなくしたい
- 社内の成功事例を参考にしたい、業界の新商品や最新の競合情報を知りたい
- 新規開発部門、リサーチ部門において、社内外の活用できる情報を効率的に入手したい
- 新規企画立案にあたって社内外の専門家を知りたい
といったケースを想定している。
現在Allganizeでは、30日間の無料トライアル期間を設けているという。(2018年5月16日現在)
不動産分野での活用進むAI
ここで、現在でも進んでいるAI関連での業務効率化の事例をみていこう。
AI活用の事例として注目されるのは、不動産分野での活用だ。株式会社 GA technologies (ジーエーテクノロジーズ)と首都大学東京の高間研究室は、産学連携でAIを活用した物件レコメンドシステムの共同研究を進めている。
この産学共同研究では、AIの機械学習を活用した物件レコメンドシステム導入により、リノベーション業務における物件提案までの時間(中古不動産仕入れ業務のスピード)を最大55%まで削減することに成功した。
また、AIの画像解析技術を活用した不動産業界初のマイソク自動読み取りを始めとするRPA実現では、物件仕入れ業務に係る時間を1/3に圧縮することに成功している。
すでに実導入されている例としては、株式会社ライナフが提供する「スマート内覧」がある。これは、スマホ携帯電話を利用して、セルフで内覧できるサービスだ。
専用のサイトからアカウント登録(無料)をし、webカレンダーより内覧したい物件の空き状況を確認した上で、空いている中から希望の時間をオンラインで予約する。
予約当日、ユーザーのみで現地に向かい、アカウント登録した携帯電話で「開錠」ボタンを押すと、施錠されている鍵が開き、自由に内覧することができる。退出の際も開錠同様に携帯電話から施錠をすることができるという仕組みだ。
これは、玄関のシリンダーに直接貼り付けることが出来る「NinjaLock」というドアロックシステムを使用し、予約されている携帯電話の情報を確認し、予約時間内のみ開錠・施錠の指示を受け取ることができるというもの。
ケイアイスター不動産株式会社は、2017年12月より、この「スマート内覧」を同社の一部物件を対象に試験導入を始めている。
AIは労働人口減少問題を解決できるか?
現在、我々は少子化問題に直面している。内閣府が発表した「平成29年版少子化社会対策白書」によると、我が国の年間の出生数は、第1次ベビーブーム期には約270万人、第2次ベビーブーム期には約210万人であったが、1975年に200万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた。1984年には150万人を割り込み、1991以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている。
実際、筆者の周辺の小学校や中学校はどんどん廃校になっている。そして、街中ではあまり子供を見かけなくなった。この少子化により、将来の労働人口の減少が懸念されているが、それをカバーするものとしてAIに期待がかかっている。
現在、世界中でAI開発に拍車がかかっているが、果たしてAIはどこまで我々の生活に寄与してくれるのだろうか。
img: PR TIMES