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Google、LINE、SONY、ONKYOなど各社の製品が出そろいつつあり、スマートスピーカー市場が日本でもいよいよ本格化している。今後、家庭へのAI・IoTの導入が加速するだろう。
中でも、Amazonが開発する「AmazonECHO(アマゾン・エコー)」は、現在招待制によってのみ販売が行われていることで話題になっているが、搭載されるAIである「Alexa(アレクサ)」もその「Alexa Skill(アレクサ・スキル)」の多彩さで注目されている。
スキルというのは、スマートスピーカーに追加して機能を増やすことができる、スマホなどでいうところのアプリのようなもののことだ。
現在、グローバルで発表されている「AlexaSkill」の数は、2万を超え、日本での発売にともなって公開された、日本語版「Alexa」スキルは250以上ある。
「Alexa Skill」は各企業が開発し、サービスを提供している。これからもスキルの開発が増え、より多くのサービスを享受できるようになるだろう。
「Alexa Skill」の開発は、もちろん企業だけではなく個人が行うこともできる。
個人での開発を可能にする「Alexa Skills Kit(アレクサ・スキル・キット)」
スキルの開発においては、Amazonから「Alexa Skills Kit(アレクサ・スキル・キット)」という環境が用意されている。誰もが簡単に「Alexa」にスキルを追加できるように、一連のAPI・ツール・ドキュメント・コードサンプルの利用が可能だ。
音声解析やビッグデータ解析を行うコンピュータを用意する必要もなく、音声対応を設計し、「Alexa Skills Kit」の利用法を学ぶだけでいいというもの。
開発者が行うのは「Amazon Echo」に話しかけられるどういった音声に反応するのか、その音声によってどの機能を呼び出して実行するのか、その際の「Amazon Echo」の反応はどうするのか、といったことを設計することだ。
スマートスピーカーなどにおける音声対応の設計は、「VUIデザイン」と呼ばれる。「Voice User Interface(声というユーザーインターフェース)のデザイン」の略である。
予想されるさまざまなシーンの中での音声対話をイメージし、スキルの目的を明確化し、ユーザーがどのように質問や指示をするか予測する。そして「Alexa」がどのように応答するかを考え、設計全体をチェックするといったプロセスを踏む。
「VUIデザイン」を行い、「Alexa Skills Kit」を利用すれば、誰もがスキルを開発できる状況がそろっている。
しかし、企業・個人のどちらにしてもスキル開発には時間も知識も必要なことは確かだ。そこで、スキル開発支援サービスを提供する企業も登場している。
企業によるAmazon Alexa対応スキル開発支援サービスの提供開始
株式会社TOKAIコミュニケーションズは、Amazonが提供するクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」に対応する各種機能を開発することにより、企業が顧客向けに新たな付加価値を容易に提供するための支援サービスを開始する、と発表した。
TOKAIコミュニケーションズはこれまで、同社の顧客である複数のB to C企業と共同で「情報配信」「予約」「注文」に関するAlexa対応のスキルの開発を行ってきた。
こうした取り組みを基盤として、今後Alexa対応のスキル開発・導入、スキル開発・運用に必要なAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)環境構築・運用、既存サービスとのAPI連携支援などの各種サービスを提供し、企業の顧客向け音声サービスの実現を全面的に支援するという。
このような、「AlexaSkill」の開発支援の充実は、どんな未来をつくるのだろうか。
AI・IoTを含むICTは利用するだけでなく誰もが開発する時代へ
スマートスピーカーの普及により、AI・IoTを含むICTは、私たちの生活の中でさらに大きな存在となりつつある。
スマートスピーカーを利用したサービスである「Alexa Skill」の開発は、「Alexa Skills Kit」や、企業による開発支援サービスの登場で、個人・企業のボーダーレスな参加を可能にしている。
これからは個人も企業も、スマートスピーカーを含むICTにおいて、どんなサービスを享受するかだけではなく、「どんなサービスを開発・提供するか」という選択肢も積極的に選べるようになるため、スマートスピーカー市場の進化は急速に進んでいくことが予想されるだろう。