GPS(ジーピーエス)
GPS(ジーピーエス)はGlobal Positioning Systemの各頭文字を取った略称。 全地球測位システムとも呼ばれる。
GPSでは航法衛星と言う人工衛星の一種を活用しており、人工衛星からの電波を受信し、現在の位置や進路、時刻などを示す仕組みとなっている。複数の人工衛星からの電波を受信しており、精度の高い情報を得ることが可能。日常生活の中でGPSを最も身近に感じることができるのが、自動車で利用するカーナビゲーション(カーナビと略称で呼称されることが一般的)で、カーナビゲーションではGPSによる精度の高い道案内を可能にしている。
カーナビゲーションにはオーディオ一体型、インダッシュ型、オンダッシュ型、ポータブル型と様々な種類が存在している。その中でも特に高い人気を博しているのがダッシュボードに納まるオーディオ一体型のもの。最近では取付が簡単なポータブル型GPSの人気も高まっていて、その理由としては保有する自動車を変えても簡単に付け替えることが可能だというもの。
自動車で使用するといった目的の他にも、バッテリーに充電することで取り外し、外で精度の高い道案内として使用可能という特徴もある。
カーナビゲーションの他にも最近ではスマートフォンのGPS機能も身近なものとなっている。スマートフォンを誰もが所持するようになった現代では、道に迷ったりした場合でもGPS機能を使用することで目的地までスムーズな移動を可能にしている。
また登山用のGPSアプリなども登場しており、ルートの確認や登山中に道に迷った際の使用、遭難防止はもちろん、登山中のルートの記録をすることも可能にしている。人工衛星からの電波を受信するという特性上、電波が届かず通話ができない場所であっても道案内をすることが可能。
その他にも船舶や航空機でもGPSの機能を利用しています。雲や霧などで視界が悪いという状況であってもGPS機能を使用することで目的地までの進路を見失わずに進むことを可能にしてくれている。
航空機が管制機関と通信する場合、低高度での飛行を行なっていると標高の高い山に阻まれて通信が不安定になることがあるが、その際もGPS機能を使用することで進路を確認することができるため、管制機関からの指示がなくても低高度での飛行を可能にしている。
GPSのみでは高い信頼性を確保すると言ったことは難しいのですが、MSAS(エムサス、運輸多目的衛星用衛星航法補強システム)という地上で計測したGPSの誤差情報をもとに、その誤差を補正することのできるシステムを用いることで信頼性の高い情報を航空機に送ることを可能にしている。
GPSの活躍はそれだけにとどまらず、農機にも活用されている。熟練した運転者を除き、従来のトラクターでの運転は直進することが困難だという場合が多々存在した。そのためトラクターで作業済みの場所とそうではない場所の判断が難しく、効率の悪化を招いてしまうこともあった。
しかしGPS機能付きのトラクターの場合、設定したラインから外れるとランプで運転者に知らせるというような機能がついているため、直進での運転が可能となり、農作業の効率の工場を実現している。このように、日常生活から運輸、農業などにいたるまで様々な分野でGPSは活用されており、現代の生活や産業を支える技術の基盤となっている。
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