ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)
ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)とは、自動車の「低速走行・車間距離制御装置」を意味する一般名称。
装置を開発するメーカーにより独自の呼称やパッケージ内容で車に搭載している。高速道路や自動車専用道路での使用を前提に開発されたものであり、前を走行する自動車との車間距離を一定に保ち、定速での走行を自動で制御する装置である。ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)はCC(クルーズ・コントロール)の発展系である。CC(クルーズ・コントロール)では、運転者が設定した速度で自動走行が可能となるが、車間距離を保つためには運転者がブレーキ操作で調整する必要があった。
ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)において車間距離を一定に保つには、大きく2つのタイプがある。ひとつは「ミリ波レーダー」を用いたものである。これは車のフロントグリル部分に搭載された「ミリ波レーダー」と呼ばれるセンサーにより前走する車との距離を計測する。センサーからの情報をもとにコンピュータ制御によって自動的にブレーキをかけ、車間距離をコントロールすることができる。
もうひとつは「光学式カメラセンサー」である。これはカメラが撮影した情報をすべてデジタル情報化することができるため、前走車両との距離計測という目的以外に、様々な情報を得ることも可能である。たとえば走行する道路の白線や路面状況などの認識も可能なため、様々な付加機能への応用が可能となるものである。また、この光学カメラを2つ並べたステレオカメラ式センサーも登場している。これは人間の目と同じ両眼立体視が可能となるため、カメラが捕らえた対象物を立体的に把握することができる。車種によっては、ミリ波レーダー式とカメラセンサーの両方を搭載したものもある。
ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)は未来への応用として、様々な研究・開発がなされている。その中でもっとも実用化が早いと言われているのが、CACC(コーペラティブ・アクティブ・クルーズ・コントロール)である。これはミリ波レーダーの検知可能な範囲内で、760ミリヘルツでの無線通信を用いて車々間通信を行う技術である。これにより前走する車の加速・減速の状況を後続車全体で瞬時に共有し、タイムラグのない後続走行を可能にしようというものである。
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