リノベーション


リノベーションとは古くなって価値が下がった住宅やビルなどの建築物に大規模な改修を施し、新たな価値を与える工事のことである。


リノベーションと似た言葉に「リフォーム」がある。両者の違いはリフォームが一部屋のみなど限定的な工事であるのに対して、リノベーションは建築物の基礎を含む大規模な改修工事を意味する。さらにリノベーションの場合は単なる改修にとどまらず、新たな機能を加えたり、性能を向上させることで新たな価値を与えるという特徴もある。


リノベーションは住宅に新たな価値を与える工事であり、通常は築年数が経過し古くなった建築物が対象となる。立地条件に比べて安く売りだされている中古物件を購入してリノベーションを行えば、新築並みの品質の物件が割安で購入できる可能性がある。


時代に合わなくなった建物をリノベーションするケースも多く存在する。時代とともに生活スタイルは変化するが、古くに建てられた物件は建築当時の生活スタイルに合わせて設計されているため現在の生活スタイルとマッチしない部分も多い。そのような物件に対しては壁を抜いて広いリビングスペースを確保する、独立した台所をオープンキッチン化する、断熱材や床暖房の導入によってエネルギー効率を改善するといったリノベーション工事を施すことで、古びて時代遅れになった建物が最先端の価値を有する住宅へと変化させられるのである。


リノベーションを実行する際の注意点として安全性への配慮があげられる。築年数の古い物件は当時の安全基準にそって建設されているので、現代の安全基準を満たしていないものが多い。耐震工事や防火設備の追加など、リノベーションを行うことで安全基準を満たした安心して暮らせる住宅へと生まれ変わるが、物件によっては多大なコストが発生してしまう。特にマンション物件の場合は一部屋単位でのリノベーションでは安全対策に限度があるため、基本となるマンション全体の安全対策度のチェックが必須である。


リノベーションは単に劣化を修繕したり設備を追加するだけの工事ではない。建物そのものの価値を高め、新しい命を吹き込む工事がリノベーションである。リノベーションを掲げながら手抜き工事をして暴利を得る悪徳業者も存在するので、 工事を実行する際はリノベーション住宅推進協議会の物件評価などを参考に慎重な業者選びが求められる。


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