5G


5Gとは、2020年の実用化をめざして標準規格化が進められている次世代型無線通信システムである。


無線通信システムの標準規格としては5代目にあたることから「5th Generation」の頭文字を取って5Gと呼ばれる。


無線通信システムの規格が最初に誕生したのは1970年台で、当時の企画はアナログ方式であった。第一世代に当たる1Gは主に自動車電話やショルダーフォンなど、初期の携帯電話に用いられていた。


第二世代の2Gではデジタル方式が採用されており、個人向け携帯電話が広く普及したのは2G規格からである。2Gは現在も発展途上国を中心に使われている通信規格である。


第三世代にあたる3Gは現在も日本で使用されている。docomoのFOMAは3G規格であり、この世代から高速データ通信が可能となった。携帯電話が音声サービス中心からデータ通信サービス中心へと移行したのも3G世代以降である。現在でも多くのスマートフォンが3G通信に対応している。


現在モバイル通信で使用されているのが第四世代の4Gである。一般的にはLTEと呼ばれることも多いが、LTEは厳密に言うと4Gではない。「LTE」と「WiMAX」は技術的には3G規格内に含まれるため「3.9G」と呼ばれる。それぞれの後継上位規格である「LTE-Advanced」と「WirelessMAN-Advanced(WiMAX2)」が標準規格に基づいた正式な4Gである。通信業界ではモバイル回線を区別するために3.9G規格を「LTE」、4G規格を「4G LTE」と呼称している。


第五世代無線通信システムである5Gは4Gに次ぐ新規格である。5Gでは増え続ける通信料に対応するため大量のトラフィック処理と高速通信の両立をめざしており、急増するモバイルネットワークに対応する新規格として大きな期待が寄せられている。


5Gでは、現在使用されている3GHz以下の周波数帯で現在普及している4Gとの互換性を確保し、高い周波数帯で高速大容量通信の実現を計画している。周波数帯の確保は世界的な課題であるが、高周波数帯は比較的空きがあるため確保しやすい。


5Gでは高周波数帯を利用して新たな通信ネットワークの整備を目指すが、電波の特性として周波数が高くなるほど直進性が高まり、障害物の影に入ると電波がつかみにくくなるというデメリットが生じてしまう。5Gではこれを解消するために携帯電話基地局をこれまでよりも小型化し、数十メートル程度の間隔で数多く設置することでカバーする計画が進められている。


5Gは世界各国の研究機関が技術開発を進めており、新時代の通信規格として大きな注目が集められている。


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