フードテック(Food Tech)


フードテック(Food Tech)とは、食(food)と先端技術(Technology)を組み合わせた造語で、食品関連サービスに情報通信技術を組み合わせた新しい産業分野を意味する。


フードテックは大きく4つの領域に分けられる。

  1. 顧客サービスの提供
  2. デリバリーの拡大
  3. 業務の効率化
  4. 最新技術を用いた調理


顧客サービスとは、IT技術により提供される顧客へのサービスの向上を意味する。店舗情報の提供、使用食材やアレルギー物質の有無の情報、詳細なメニュー情報、スマートフォン限定クーポンの発行、ネット予約などIT技術を活用することできめ細やかなサービスを顧客に提供し利用を促す。


デリバリーの拡大とは、従来より提供されていたデリバリーサービスに情報通信技術を組み合わせることで実現する新型のデリバリーである。スマートフォンの位置情報と連動することでピンポイントで指定場所に届けるデリバリーサービスや、コンロや燃料など食料品以外もパッケージ商品として販売するバーベキューデリバリー、完成品の料理ではなく料理人を派遣するサービスなど、従来のデリバリーとは全く異なる発想からなる新しいデリバリーサービスがフードテックに該当する。


先端技術の活用による業務の効率化もフードテックに含まれる。専用端末によるワイヤレスオーダーシステム、リアルタイムの空席状況が反映される予約システム、在庫に応じて最適の量を発注する注文システムなど、主に飲食店経営に広く普及している。


最新技術を用いた調理とは、新しく開発された道具や機械を用いて行われる、従来では不可能だった調理法である。真空調理器を用いた低温加熱調理、ウォーターオーブンによる過熱水蒸気調理などが新型調理の代表例である。みじん切り器や串刺し機などの作業負担を軽減する機材を用いた調理工程の効率化もフードテックの成果である。


フードテックはマーケティングで注目を集めている。SNSを通じたバズ・マーケティングやユーザーからのレビューの集積によるレストラン情報のデータベース化などが外食産業では大きな成果を上げており、テレビコマーシャルなど従来型のマーケティングに匹敵する存在感を示している。


フードテックはあらゆる食品関連産業が対象となるため、潜在的な需要は高い。まだまだ情報化が進んでいない部門も多く、先端技術の導入で大幅な改善が見込まれるため、各社ともフードテックには強い関心を示している。今後は食品供給を担う農業部門との連携も含めたフードテックの研修が進むと期待されている。


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