8K
8Kとは映像規格の名称で、1995年からNHKが研究を続けている技術である。
現在のデジタル放送におけるフルハイビジョン規格の解像度は1980×1080ピクセルで、それを上回る4Kの解像度は3840×2160ピクセルとなっているが、8Kでは7680×4320ピクセルという超高解像度になっている。
発色については従来の8bit(256段階)だった階調が12bit(4096段階)まで再現可能となっており、自然界に含まれない色の再現までも可能としている。この恩恵によって8Kでは以前のハイビジョンや4K規格では再現が難しかった滑らかなグラデーションの表現を自然に行えるようになっている。
輝度に関しては従来のSDR(Standard Dynamic Range)からHDR(High Dynamic Range)へと変わっているため、「白飛び」と「黒つぶれ」が大幅に解消される。
フレームレートに関してはアナログテレビの1秒30コマ、ハイビジョンテレビの1秒60コマを大幅に上回る1秒120コマの再生を可能にしているため、8Kでは非常に滑らかな映像の動きが得られるようになっている。
8Kの解像度はフルハイビジョンの16倍という数値になっており、この解像度に達すると人間が自然界を肉眼で見た際の奥行きを忠実に画面上に再現することが可能なので、3Dなどの技術を用いることなくリアルな空間を表現する事が可能になる。
NHKはこの超解像度の映像を「スーパーハイビジョン」と呼称して一般への浸透を図っている。そしてスーパーハイビジョン再生専用の音響システムとして、5.1チャンネルサラウンドを遥かにに上回る22.2マルチチャンネルの研究開発も同時に進めている事を発表しており、この22.2マルチチャンネルでは、「上層」「中層」「下層」「低音効果スピーカー」が視聴者を立体的に取り囲むサラウンドの発想が採用されている。
現在NHKは8Kの放送手段として「衛生伝送方式」「地上伝送方式」「ケーブルテレビ伝送方式」を主な手段として掲げており、音声については圧縮方式での伝送を研究しているほか、地上伝送方式の映像送信については中継車での実験を行っている。
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