チャットボット
チャットボットは、LINEやFacebookといったSNSに搭載されたメッセージ機能で、まるで実際の人間と会話(チャット)をしているようなテキストを返信をするAI(人工知能)プログラム。その他にも、チャット欄への静止画、動画、電話の発信などの機能が付帯する。語源は「チャット」と「ボット」を掛け合わせたもの。
2016年に本格的に始動しはじめ、FacebookやLINE、TwitterなどSNSプラットフォーマーが続々とサービスの導入を開始した。Facebookでは、企業またはサービス名を検索すれば回答するメッセンジャーアプリ「Facebook Messenger」、LINEでは企業の公式アカウントを友達登録するだけでユーザーが必要とするコンテンツに応える「LINE Massage API」を提供している。
マイクロソフトは、AIによるデジタルエージェント「Cortana」というチャットボットを開発。この「Cortana」は、質問を検索ボックスに入力するか、音声からユーザーの要望に答えるシステムになっている。具体的なサービスとして、時間や場所に関するリマインド表示、メールの送信、カレンダーによるスケジュール管理、リスト作成、ゲーム、ファイリング、リサーチなど、仕事や暮らしをサポートする役割を果たしている。
さらに、チャットボットを通じてユーザーに自社のサービスを提供する企業も増えている。例えば、クロネコヤマトやアスクルは、SNSやサイト上で問い合わせをすると、即座に返信をしてくれるカスタマーサポートサービスを実施。その他にも、ドミノピザのピザ注文サービスや、食べログの飲食店検索、宿泊予約サイト「Relux」の旅行相談がチャットでできるようになった。ビジネスSNS「Wantedly」のチャットボットサービスでは、ユーザーが「IT関係の仕事を探しています」などの自然文を入力しても仕事探しをすることが可能だ。このように、チャットボットがオペレーターの代行を行うことで、より効率的で大幅なコスト削減にもつながっている。
しかしながら、現在の自然言語プログラムですべてのユーザーが満足する対応をできるわけではない。今後は、より円滑な会話の強化はもちろんのこと、ユーザー同士のコミュニケーションをスムーズにする仲介役になったり、外部サービスを操作するなどチャットを通じてよりダイレクトなコミュニケーションが可能になり、これまでのマーケティングやデザインの在り方にもポジティブな変化をもたらすと期待されている。
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