スモーキングデバイス
スモーキングデバイスとは、紙巻たばこの代替品となる電子たばこである。
スモーキングデバイスは主に禁煙補助用具として開発された。禁煙中にたばこが吸いたくなるという欲求を解消するためにたばこに似せて作られたスモーキングデバイスを使用し、再び喫煙してしまうのを防ぐための道具である。いわゆる禁煙パイプと呼ばれる非電子式の擬似たばこもあるが、スモーキングデバイスは基本的に電気で動作する電子式のものを指す。
スモーキングデバイスは大きく2つに分けられる。ひとつは加熱したリキッドから発生する水蒸気で擬似的な喫煙を行うことで喫煙欲求を満たすリキッドタイプ、もうひとつはニコチンを含むたばこ葉を電子的に加熱して喫煙するたばこ葉タイプである。
リキッドタイプのスモーキングデバイスは円柱状のスモーキングデバイス本体にさまざまなフレーバーのリキッドカートリッジをセットし、加熱して発生した水蒸気を吸い込み、擬似的な喫煙を楽しむ。リキッドにはニコチンが含まれていないため法的に喫煙には該当しない。リキッドにはミントやメンソール、フルーツやエナジードリンクなどの様々なフレーバーが用意されている。たばこではないため、使用に年齢制限はなく妊婦なども健康への影響を気にせず吸える。ただし発生する水蒸気によって香りが周囲に拡散してしまうため、健康被害はないものの周囲への配慮は必要であるとの指摘は多い。
ニコチンを含まない水蒸気を楽しむリキッドタイプに対し、ニコチンを含むたばこ葉を使用するのがたばこ葉タイプである。このタイプのスモーキングデバイスでは専用のたばこやたばこから抽出したエキスを含むカプセルをセットし、電子的に加熱して喫煙を行う。ニコチンを含有する本物のたばこによる喫煙のため法的にも喫煙として扱われ、20歳未満の使用は認められない。たばこ葉タイプのスモーキングデバイスは禁煙補助用具ではない。最大のメリットは副流煙を出さないことで、周囲に配慮しながら喫煙できることにある。灰が出ないので灰皿を必要とせず、味や香りも紙巻たばこに非常に近い。途中で喫煙を中断して後から続きを吸うことも可能。
喫煙者の減少が続く中、スモーキングデバイスは新たな嗜好品としてたばこ業界から大きな期待が寄せられている。単なるたばこの代用品ではなくスモーキングデバイスという楽しみ方が定着するのかが今後の課題である。
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