自動航行
自動航行とは機械が自動的に操縦する装置のことをいう。人は手放しでも済むため、オートパイロットとも呼ばれている。
航空機では自動操縦システムが導入されている。離陸はパイロットが行うが、離陸後の上昇、巡航、降下、着陸まで自動操縦できる航空機も登場している。航空機には複数台のコンピュータが搭載されており、自動操縦を任されている。
1台のコンピュータに不具合が出ても他のコンピュータでカバーすることが可能。自動操縦システムにより多くの操縦ができるようになったため、パイロットへの負担が軽減されている。ただし自動操縦システムをどこまで信頼して良いのかの判断は難しく、様々な議論がある。
船舶でも大型船舶を中心に自動航行システムが導入されている。水深のある外洋に出ると岩礁などの障害物が少なくなるため、安定した自動航行が可能だ。ただし陸に近づくと障害物に衝突する恐れがあるため、人の手によって操縦されている。航空機と比べると自動化は進んでおらず、あくまでも操縦士を補助する役割として使用されている。
ヨットのクルージングでも自動航行が進んでおり、安全な海域で自動航行を行い、その間に食事や睡眠を取るケースが多い。ただしクジラに衝突すると言ったケースもあり、小型の船舶の場合は全面的に信頼し過ぎるのは危険な側面もある。
航空機や船舶よりも自動航行が難しいのが自動車だ。道路では歩行者や自転車、他の自動車などその状況が刻々と変化する。交通量が少ない高速道路などで用いるクルーズコントロールは今までも存在したが、運転者を補助する役割までに留まっていた。しかしレーダーやGPS、カメラなどによって刻々と変化する周囲の状況を認識し、自動航行するという自動運転車の開発が急ピッチで進んでいる。
自動運転にはレベル0からレベル4まであり、このうちレベル4が完全自動運転ができる状態で、加速や操舵、制動といった運転は全て機械に1人することができる。ただし航空機の自動航行同様、どこまで任せて良いのか判断が難しいものであることは確かだ。
完全自動運転を実現させるには各国の認可も必要となる。完全に実用化されるまではクリアしなければいけないハードルが多い状況だ。もし歩行者との衝突が避けられない状況の時、歩行者と運転者どちらの安全を優先させるのかなどの倫理的な問題もある。
自動車において、自動航行できる技術が整ったとしても倫理的な問題がつきまとう可能性は大いに考えられる。
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