買い物難民(買い物弱者)
買い物難民(買い物弱者)とは食料品や生活必需品などの購入に困っている住民のことを指す。
近年の日本では人口の自然減が進行し始めている。人口の自然減の仕組みとしては、出生者数より死亡者数の割合が多い場合とされている。現在の日本では出生率の低下が中々改善されないため、今後も人口の自然減が進行し続けるのではないかと予測されている。
人口の自然減とともに高齢化も進行し続けており、都市部と比較すると地方の方が人口の減少と高齢化が顕著だ。
地方の高齢化の一因として、地方から都市部へ就労に出る若年層が増加しているということもあげられる。そういった現状がにしたがって、地方での日常生活の経済活動(買い物)は人口の現象に伴って減少している。すなはち、顧客の減少が進むことで売上が悪化し、採算が合わなくなり、閉店を余儀なくされるという負のスパイラルに陥る販売店が増加しているということだ。
また地域の若年層の減少による高齢化が進むことで、個人経営の商店の場合、後継者問題に直面することも多く見受けられ、後継者を見つけることが難しく、閉店するしかないという状況もまま見受けられる。
このように地域内で閉店する商店が増加していくと地域住民の経済活動の場が減少することになり、結果として日常生活の買い物を行うことが困難な買い物難民という結果に着地する。
さらに高齢者であることが買い物難民に直結する問題として、運転の困難さがあげられる。運転技術の低下や身体的に運転すること自体が難しい高齢者は日常生活の買い物自体も難しく、タクシーによって買い物にでかけなければいけないというケースもある。
その他にも大規模ショッピングセンターの進出が買い物難民を生む原因となることがある。大規模ショッピングセンターには周辺地域から顧客が多数集まるため、それまで出店していた個人経営の商店や、地元の商店街などが顧客獲得競争に破れ、閉店に追い込まれる。そうなった場合、大規模ショッピングセンターまで買い物に行くことが困難な住民が買い物難民となってしまうという状況が発生している。
日本ではこの買い物難民の増加を危惧し、様々な対策が実施されている。軽トラックに商品を積み、買い物難民の多い地域を巡回する移動スーパーや、近隣の商店街やショッピングセンターまでの送迎サービス、ネットスーパーでの購入による宅配サービスなどが代表的な対策として存在している。
山間部の場合、ドローンを用いた宅配サービスも行われるようになってきている。ドローンによる宅配サービスでは、利用者がコールセンターに電話をかけ、商品の注文を行う。注文後はドローンに付いているボックスに商品を入れ、利用者の自宅まで飛ばして届けると言う仕組みだ。
従来は山間部での宅配に自動車やバイクを使用していたが、到着までの時間がかかってしまう、人件費がかかるというデメリットがあったが、ドローン宅配サービスであれば(本格的なサービス運用はこれから)空を最短距離で宅配地まで走行可能なため、時間のと人件費の削減が期待されている。
【おすすめの記事】