オープンプラットフォーム


オープンプラットフォームとは、ハードウェアやソフトウェアの基礎となる部分の技術的仕様を秘匿せずに公開するプラットフォームである。


プラットフォームは製品の心臓部とも言える部分であり、これまでは一般に公開することなく極秘事項として秘匿されることが一般的だった。企業はプラットフォームの技術を握っているという強みを活かして差別化を行い、独占的、排他的なビジネスを行うことによって利益を追求するというのがこれまでのビジネスモデルだった。このようなビジネスモデルではプラットフォーム技術を握る企業の優位性が高く、製品の普及に成功すれば莫大な利益を生み出す可能性を秘めている。


一方で、独占的なプラットフォームはいくつもの問題を抱えている。独占的プラットフォームの問題点としては以下のようなものが挙げられる。


  • 非公開技術が参入障壁となる
  • 独占企業が一方的なビジネスを展開してしまう
  • トラブルが発生したときに対応できるのが技術を握っている企業のみに限定される
  • プラットフォーム関連の技術を自由に研究することができず発展が遅れてしまう
  • 企業ごとに独自の規格を作るため互換性が低下しユーザーの利便性が阻害される
  • 新たなアイデアが活用されにくい


これらの問題は競争が激化し、各企業が独自の企画を作るようになることでさらに顕著になった。ユーザー側は独占的利益をめざす企業の思惑に振り回されてきたが、そんな中で新たに生まれてきたのがオープンプラットフォームという思想である。


オープンプラットフォームはこれまでの独占的プラットフォームとは正反対の考え方である。オープンプラットフォームでは従来非公開だったプラットフォーム部分の技術を無償で公開する。誰でも自由に閲覧できるため融資による改良や修正、新たな開発などが可能となる。


オープンプラットフォームの最大のメリットは、プラットフォームを自由化することで利用者を増やせる点にある。プラットフォームの障壁がなくなれば、そのハードやソフトを使った新たな製品やサービスを周辺企業が積極的に市場に投入する。プラットフォーム企業はライセンス収入を得ることはできないが、参入企業が増えることでプラットフォームそのもののシェアは増大し結果的に大きな利益を得られる可能性がある。


大手SNS「Twitter」はSNSサービスとゲームアプリをつなぐ役割を果たすプログラム「API」をオープンプラットフォーム化している。APIをオープンプラットフォームにすることでTwitterと連携するゲームは増加し、Twitter側は新たなユーザー数の増加、ゲーム側はSNSと連携した新たな楽しみの提供というメリットが生まれている。


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