インステック(InsTech)


インステック(InsTech)とは、保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、保険サービスに最新の情報技術を活用する新たな概念のことである。
インステックは大きく3つの分野に分けられる。

  • マーケティング
  • ヘルスケア
  • アンダーライティング

この3つの分野は保険サービスを形成する柱となるが、インステックでは各分野にIT技術を導入することで効率化、最適化を実現しサービスの質的向上と業務効率改善をめざす。


マーケティングにおけるインステックではITを用いた顧客獲得が中心となる。従来の保険は保険会社の営業マンによって行われる直接的な営業活動が顧客獲得の中心であり、多くは個人的な繋がりによって保険が選択されてきた。この方法は地道な営業努力が必要となるため、保険会社からすると多大なコストが掛かってしまうというデメリットが存在する。加入者側からすると営業マンとの付き合いで保険商品を選ぶため気軽に乗り換えや契約内容の見直しがしづらく、最適の保険内容を選べないというデメリットがある。


インステックを導入することで保険商品のマーケティングは営業職員による戸別訪問からインターネットを通じたダイレクトマーケティングに大きく変更された。保険会社は営業職員に多大な人件費を払う必要がなくなり、加入者は豊富な情報の中から最適な保険商品の選択が可能になる。契約もインターネット経由で進められるので、入りたい保険会社があったとしても地元に支店がないと保険加入が難しいという欠点も解消される。


ヘルスケア分野はインステックにより大きく進歩した分野である。これまでの保険商品はリスクに合わせて保険料が設定されケガや病気などが発生すると設定された保険金が支払われるという仕組みだった。これは保険の基本となる仕組みだが、保険会社側のリスクコントロールが難しいなどの欠点があった。インステックではヘルスケアという概念を導入し、加入者の健康維持を後押しする。加入者は運動指導や栄養指導などを通じて健康的な生活を実現し、保険会社は加入者が健康になることで保険金支払いのリスクを減少させる。従来の保険商品は保険金のみが加入者のメリットだったが、ヘルスケアの普及により健康や安心といった新たなメリットが提供されている。


アンダーライティングとは日本語で「引受け」という意味で、保険契約を引き受けるかどうかの判断のことである。保険会社にとって保険契約を引受けるかどうかの判断は業務の根幹である。ビッグデータの活用によって経験や勘に頼らないリスク審査が可能になり、適正基準に基づいた合理的な契約判断が実行される。


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