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ミツモアは、人手不足が深刻な7業界(サービス/医療・福祉/飲食/運輸・物流/建設・工事/小売・卸売/製造)の中小企業から寄せられた、主要BPOサービスへの依頼データをもとに、最新動向を公表した。
■「事務代行」の依頼数が5倍と、主要BPOサービスの中でも突出
BPOサービスとは、企業の業務プロセスを専門事業者に委託するサービス。
同調査の結果をBPOサービス別に見ると、特に「事務代行」の伸びが顕著で、前年比約5倍(516%)という結果に。次いで「コールセンター」が約3倍、「テレアポ」が約2.8倍、「経理代行」が約2.3倍と、いずれも大幅に増加となった。

■依頼の「質」にも変化。「退職者が出て1カ月で引き継いでほしい」
オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ assistant」を提供するキャスターの寺師侑希氏によると、依頼内容にも顕著な変化が見られるという。
寺師侑希氏は、「極端なケースでは、『退職者が出て1カ月で引き継いでほしい』『既存社員の残業が深刻で早急な体制整備が必要』といった緊急度の高い相談が増えています」とコメント。
これに対し同社は、人手不足への構造的な対策として、BPOを位置づける企業が増えていることを示唆していると考察している。
■医療・福祉業界で事務代行の需要が急増。「働き方改革」と事務負担のジレンマ
事務代行の依頼を業界別に見ると、医療・福祉業界での増加が特に顕著で、事務代行依頼は、前年比で約10倍(933%)の伸びを見せた。
医療・福祉業界は、2024年4月の「医師の働き方改革」施行、介護報酬改定、診療報酬改定など、制度変更が相次ぎ、現場の医療・介護スタッフの労働時間上限が厳格化される一方で、事務作業の負担は減らず、むしろ複雑化しているのが実態だと同社は考察している。

■外注したい業務TOP3は「給与計算」「経理記帳」「勤怠管理」
医療・福祉業界の中小企業が事務代行で依頼したい業務では、「給与計算」「経理記帳」「勤怠管理」がの上位を占める結果に。
「24時間シフト制」「介護保険・診療報酬請求(レセプト)」という医療・福祉業界特有の複雑さが共通していると同社は考察している。

【調査概要】
比較期間(1):2023年10月〜2024年9月
比較期間(2):2024年10月〜2025年9月
調査件数:8,808件
調査対象業界:人手不足が特に深刻な以下7業界の中小企業
サービス業(従業員100人以下)、医療・福祉(同300人以下)、飲食(同300人以下)、運輸・物流(同300人以下)、建設・工事(同300人以下)、小売・卸売(同100人以下)、製造業(同300人以下)
<参考>
ミツモア『主要BPOサービスへの依頼データをもとにした最新動向』
