paizaは、同社が運営するITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」登録ITエンジニアを対象に、ITエンジニアが生成AIを導入することによる生産性への影響について調査を実施し、結果を公表した。

1.生成AIの導入で週あたりのコーディング時間が減った実感があるITエンジニアは50.7%

同調査では、ITエンジニアの半数以上が生成AIの活用によってコーディング時間が実感値平均で約8時間/週(約0.2人月)短縮されたと回答。

同社は、これは単純作業の効率化だけでなく、より創造的な業務や設計に時間を割くことが可能になったことを示唆していると考察。一方で、約4割のエンジニアは時間に変化がないと回答しており、生成AIを使いこなすための学習コストや業務への統合にはまだ課題があることも明らかになった。

生成AI導入によるコードを書く時間のへんぁ

2.生成AIの導入でコードを読む時間の変化は増/減/不変に綺麗に分かれる

生成AIが生成したコードの正確性を確認するため、コードを読む時間が増加したエンジニアがいる一方で、AIによるコードの要約やコメント生成機能によって、読む時間が減少したエンジニアも存在することが判明。

この結果は、生成AIの活用方法が多岐にわたることを示しており、個々のエンジニアのスキルや業務内容によって、その影響が異なることを示唆する結果となった。

生成AI導入によるコードを読む時間の変化

3.生成AIを使わない開発に戻れるか?業務経験による差異は

経験年数別に分析すると、生成AIへの依存度に差が見られた。

実務経験5年未満の経験の浅いエンジニアは生成AIを使わない開発に戻れないと強く思う・そう思うと答えた割合が71.6%にのぼり、生成AIが提供する即時的なアウトプットを強く求めている傾向が見受けられる結果に。

実務経験5年未満

一方、実務経験5年以上のITエンジニアは59.4%と比較的生成AIに対する依存度は低い結果となっている。

実務経験5年以上のITエンジニア

4.生成AI利用フェーズランキング!2位調査を抜いて1位だったのは実装フェーズ

今回の調査で、生成AIの活用が最も進んでいるのは「実装フェーズ」であることが判明。

生成AIのない時代は0からプログラムを実装する際に過去の類似コードを自身で検索し引用、編集するという手法が主であったのに対し、過去データを学習したうえでのコードの自動生成やスニペットの提案といった機能が生産性向上に貢献していると同社は推察。

生成AIは、エンジニアの作業の「触媒」や「アシスタント」としての役割を強く果たしていることが再確認されたとしている。

生成AI利用フェーズランキング

5.生成AIツール利用ランキング!ITエンジニアが愛用する生成AIツール

生成AIツール利用ランキングでは、1位ChatGPT、2位Geminiとなり、ITエンジニアが生成AIを単なるコード生成のためだけではなくより幅広い用途で活用していることを示唆する結果に。

また、3位がGitHub Copilotとなったのは、コードを自動生成したり、スニペットを提案したりする機能を持つ、よりITエンジニアの実務的な補助ツールとして使われるためと同社は推察している。

生成AIツール利用ランキング

<参考>
paiza『生成AI時代のエンジニアのスキルアップに関する意識調査(2025年版)