三井不動産は、独立系ベンチャーキャピタル大手のグローバル・ブレインと共同で、総額200億円のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を新設したと発表した。新ファンドは「三井不動産&イノベーションファンド」と「三井不動産&フロンティアファンド」の2本体制で運営し、新規事業の創出や新産業支援を主目的とするという。

同社は、2024年4月に策定した長期経営方針「& INNOVATION 2030」で掲げた「コア事業の更なる成長」「新アセットクラスへの展開」「新事業領域の探索・事業機会獲得」の三本の戦略を推進するため、同CVC体制を構築したとしている。今回の取り組みは、将来的な本格的資本提携も視野に、出資先との事業共創を強化するものだという。

事業戦略の三本の道

新ファンドのうち、「&イノベーションファンド」は150億円規模・期間10年で、主にアーリー期以降の企業を対象とし、労働力不足解消や自動化、建築コスト抑制、オムニチャネル、エンターテインメントなど幅広い分野への投資を予定している。「&フロンティアファンド」は50億円規模・期間15年で、エネルギー、次世代モビリティ、宇宙関連技術など長期的な成長分野を対象とするとのことだ。

三井不動産は、2015年の第1号CVC設立以来、社会課題や資金調達環境の変化に対応しながら新規事業創出を進めてきた。今回の新ファンドでは、アジャイル型組織を採用し、イノベーション本部の人員や外部専門人材を組み合わせた柔軟なチーム体制を導入するという。また、グローバル・ブレインとは企画から投資、実装までを一体で担う専任チームを構築し、協業スピードを高めるとしている。