NTTドコモは、ロールプレイングの実施からフィードバックまでをAIが担うシステム「AIロールプレイングシステム」を自社開発し、全国のドコモショップに導入したと発表した。

同システムでは、受講者がシステムに登録されたシナリオに沿って顧客役のAIアバターを相手にロールプレイングを実施。終了後には、AIが応対内容を自動採点し、フィードバックを行うという。
新人スタッフでも学習しやすいようヒント機能を搭載しているほか、ロールプレイング時の録画や文字起こしも可能で、個人練習後に育成担当者などとの振り返りもできるとしている。
また、NTT人間情報研究所が開発した次世代メディア処理AI「MediaGnosis」と最新音声合成技術を活用し、声や表情の分析に基づく応接スキルの評価や人と話しているかのようなリアルな対話を実現しているとのことだ。

これまで、ドコモショップにおけるスタッフ育成のロールプレイングは、事前準備や進行、フィードバックに至るまで多くの人手を必要とし、特に育成担当者には高いスキルと時間的負担が生じていたという。
同システムでは、ロールプレイングの実施からフィードバックまでをAIが担うため、育成担当者なしにロールプレイング研修が可能。育成担当者が育成にかける時間は月平均5時間、一人あたり年間で60時間の稼働削減が見込まれ、この稼働時間で育成担当者が顧客対応を行えるようにもなるとしている。
2025年2月から一部店舗で実施されたトライアル導入では、スタッフ育成稼働の削減効果に加え、受講スタッフから実際の応対時に活きたという声も確認され、今回の全国展開につながったという。
同社は今後もAI技術の活用を推進することで、ドコモショップスタッフの応対支援を強化するとともに、応対品質の向上をめざしていくとのことだ。