Appleは、The Conservation Fundとのパートナーシップにより、カリフォルニア州沿岸部に広がる約14,000エーカーのレッドウッドの森「グアララ川の森」において、新たな環境保全プロジェクトへの投資を開始した。森林の再生と持続可能な管理を目的としたこの取り組みは、Appleが展開する「Restore Fund」の一環とのことだ。

Appleは2021年に、自然に根ざした炭素除去への投資を加速するため、環境団体のコンサベーション・インターナショナルおよび投資銀行のゴールドマン・サックスと共にRestore Fundを立ち上げた。現在では、同基金を通じて6大陸・24の環境保全および環境再生型農業プロジェクトに投資している。
同取り組みにより、The Conservation Fundが行う持続可能な森林管理の支援と、Appleが得るカーボンクレジットの創出が連動し、2030年までにApple全体のカーボンフットプリントをカーボンニュートラルにするという「Apple 2030」達成に貢献するという。

Appleによれば、森林は「大気中の炭素を除去するために最も効果的なテクノロジーの1つ」であり、これまでもメイン州やノースカロライナ州などでのワーキングフォレスト保護を含む多様なプロジェクトを進めてきた。カリフォルニアのレッドウッドの森に加え、Climate Asset Managementとの連携によりワシントン州の温帯混交雨林への投資も実施している。
また、AppleのサプライヤーであるTSMCと村田製作所もこのファンドに投資しており、今後も同様の企業パートナーとの協働を通じてプロジェクトの裾野を広げていく方針である。
Appleは現在までに、2015年比で温室効果ガス排出量を60%以上削減しており、2030年までに残る排出量の相殺に向けて、毎年960万トンの炭素除去を目指しているという。
グアララ川の森は、カリフォルニア州北部沿岸に広がる数百種の野生生物の生息地であり、地域経済の基盤にもなっている。森林管理では、定期的に樹木の直径や高さを計測し、炭素蓄積量をモニタリングする体制が構築されているとのことだ。