パーソルイノベーション lotsful Companyは、運営する副業人材マッチングサービス「lotsful(ロッツフル)で、20~40代の会社員を対象に「生成AI時代の副業実態調査(前編)」を実施し、結果を公表した。

生成AI時代の副業実態調査(前編)

■AIを副業で使ったことがある人は約8割。副業における生成AI活用はすでに一般化の兆し

「副業で生成AIを使ったことがある(継続利用/試用含む)」と回答した人は全体の75%に上り、副業の現場でも生成AIが急速に浸透していることがわかる。

生成AIが身近な業務ツールとして受け入れられつつある一方で、活用の成熟度やスキルには個人差があることも想定され、同社は、今後は「使えるかどうか」に加えて「どう使いこなすか」が差を生む時代になることも想像できるとしている。

副業で生成AIを使用しているか

■「AI副業」で思い浮かぶ職種は、“クリエイティブ領域”が最多

「AI副業」と聞いて思い浮かぶ職種を尋ねたところ、「画像・動画生成などのクリエイティブ制作(19.1%)」が最多となり、次いで「ChatGPTなどを活用したカスタマーサポートやチャットボット設計(18.1%)」が続く。

いずれもテキストやビジュアルといったクリエイティブ系のアウトプットに関わる業務が中心であり、「AI副業」には、コンテンツを生み出す仕事というイメージを強く持たれていることがわかる。

「AI副業」と聞いて思い浮かぶ職種

これは、生成AIの強みが分かりやすく反映されやすい領域に活用の意識が集中していることを示しており、現時点では限定的な分野での活用イメージが先行。

今後、業務設計やコンサルティング、分析といった非生成型領域にもAI活用の可能性が広がれば、副業の選択肢もさらに拡張していくと同社は考察している。

■生成AIの副業活用は“文章系タスク”で定着傾向に

生成AIを副業で使ったことがある人の中で、実際に活用している業務内容を尋ねたところ、最も多かったのは「テキスト作成(38.1%)」、次いで「情報収集/調査(36.3%)」。

特に文章作成は、多くの副業に共通する基本業務であり、生成AIの汎用性の高さが発揮されている分野といえる結果に。

どんな副業業務に生成AIを使っているか

■副業での生成AI活用が生む、時短と学びの好循環

副業において生成AIを活用することでどんな変化を感じたかを尋ねたところ、「作業時間が短縮された」と感じた人が43.5%で最多となったが、注目すべきは「自己学習の時間が増えた(32.7%)」という回答。

AIによる業務の効率化が、自身のスキルアップや自己研鑽の時間を生み出しているという前向きな変化も確認できる。

単なる省力化ではなく、次の価値創出につながる時間を手に入れる手段としてのAI活用が進んでいることが読み取れる結果に。

副業において生成AIを活用によって、どんな変化を感じたか

■副業における生成AI活用の壁は、習得コストと知的財産リスク

副業で生成AIを活用する際の課題を尋ねたところ、「使い方を覚えるのに時間がかかる(31.0%)」、「知的財産権の問題が心配(30.4%)」が上位に。

多くの生成AIツールが登場する中で、それぞれの操作や活用方法を習得するハードルの高さや生成物の権利帰属の曖昧さが、副業活用を進めるうえでの障壁となっていることがうかがえる。

この結果に同社は、活用が広がる一方で、スキル習得や権利リスクに対する不安が課題として残っていることが明確になったとしている。

生成AI副業で活用する上での課題

<参考>
lotsful(パーソルイノベーション lotsful Company)『生成AI時代の副業実態調査(前編)