オーエフは、特高・高圧太陽光発電所のケーブル盗難対策として、ドローン専門会社「TRIPLE7」と共同で、ドローンを活用した新しい防犯対策サービスの実証実験を実施したと発表した。

特高・高圧太陽光発電所のケーブル盗難対策にドローンを活用

同社は、ドローンの持つ迅速かつ正確な移動性能、人感センサー技術、および24時間体制で運営される有人監視センターを組み合わせることで、効果的かつ経済的な盗難対策の実現を目指したという。

ドローンによる無人巡回サービスの概要

同実証は、過去に複数回盗難被害に遭った栃木県内の特高発電所で実施。「DJI Dock 3」と「 Matrice 4TD」を⽤いて、日中と夜間の両時間帯で、巡回方法、威嚇効果、近隣住民への影響などを詳細に検証したとのことだ。具体的な検証内容は以下の通り。

(1)威嚇・抑⽌効果の検証(夜間中⼼)
・ライト照射による視覚威嚇の効果確認
・スピーカー⾳量、⾔語、内容ごとの⼼理的影響
・サイレン⾳の種類、構成の⼯夫と有効性

(2)センサー検知の精度評価(昼夜)
・⾚外線カメラによる⼈物検知性能(距離・⾓度・⾼さ)
・昼と夜の熱環境による検知性の差異
・可視カメラとの併⽤、ズームや⾓度設定の評価

(3)⾶⾏安定性と⾃動運⽤の実現性(昼中⼼)
・通信、センサー強度の確認
・バッテリー消費と運⽤可能時間
・地形、障害物に対応したウェイポイントの設定

同実証の結果、ドローンによる巡回・威嚇は盗難抑止に非常に有効であり、盗難行為を未然に防ぐ効果が高いことが確認されたという。

一方、巡回ルートや運用するドローンの台数は、施設の立地や設備配置により最適化する必要があり、また近隣住民への騒音・光の影響などについても、個別施設ごとの対応が求められることが明らかになったとしている。

同実証の総合評価

同社は、次の段階として、監視カメラとのAPI連携や24時間監視センターとの無人連動飛行の検証を進行。また、保険会社との連携も検討し、同サービス導入による保険適用範囲の拡充を図るなど、太陽光発電事業者が安心して施設を運営できる環境の構築を目指すとのことだ。