イワテックは、トヨタ自動車九州が運用する定置型燃料電池へのグリーン水素(※1)の供給を開始したと発表した。

このグリーン水素は、同社の「再エネ水素実証プラント」で太陽光発電を利用して製造されたもので、福岡酸素の協力を得て、福岡県北九州市のトヨタ自動車九州・小倉工場に供給されているという。
同プラントでは、太陽光発電と蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメントシステムを活用し、発電量に応じて水素の生成量を制御する仕組みを導入。生成された水素ガスは高圧ガスとしてシリンダーに充填され、燃料電池発電システムなどで利用可能な形で市場に供給されているとしている。

トヨタ自動車九州は、2017年以降、製造から使用まで一貫したCO2排出量ゼロのシステム構築に取り組んでおり、今回のグリーン水素の導入もその一環であるという。同社のグリーン水素は、100%太陽光由来であることから、同社の取り組みに採用されたとのことだ。
同社は、2026年度から本格稼働する「排出量取引制度」(※2)に対応するため、再生可能エネルギー由来の水素供給体制の構築を進めており、今回の供給開始はその第一歩だとしている。
(※1)再生可能エネルギーのみで製造した、使用時だけでなく製造時もCO2を排出しない水素
(※2)改正GX推進法によって法定化された、政府が割り当てたCO2排出量の枠に対し、対象となる企業が排出枠の過不足を市場で取引する制度