アイデムは、中学生の親1,200名を対象に、「【中学生の親対象】子供に望むキャリアと自身の働き方に関する調査」を実施し、結果を公表した。

■【子供の進路選択や将来の働き方に関する考え】

●高学歴を望むか

初めに、中学生の子供がいる男女に、子供の将来の進路選択や働き方に対する考えの一つとして、学歴について「高学歴の方が良い」のか「学歴は気にしない」のかを質問。

すると、「高学歴の方が良い」は19.3%、「どちらかと言えば高学歴の方が良い」は45.3%、「どちらかと言えば学歴は気にしない」は27.0%、「学歴は気にしない」は8.3%という結果になった。

全体では「高学歴の方が良い・計(どちらかと言えば含む)」が64.6%で多数派となっているが、過去調査と比較すると年々減少傾向にあり、2019年調査の70.5%から5.9ポイントの減少がみられる。

「高学歴を望むか」

●社会的地位の高さを気にするか

続いて、中学生の子供がいる男女に、子供の将来の進路選択や働き方に対する考えの一つとして、社会的地位について「社会的地位の高い仕事に就いてほしい」のか「社会的地位は気にしない」のかを質問。

すると、「社会的地位の高い仕事に就いてほしい」は6.9%、「どちらかと言えば社会的地位の高い仕事に就いてほしい」は31.4%、「どちらかと言えば社会的地位は気にしない」は47.9%、「社会的地位は気にしない」は13.8%という結果になった。

合計では「社会的地位の高い仕事に就いてほしい・計(どちらかと言えば含む)」が38.3%、「社会的地位は気にしない・計(どちらかと言えば含む)」が61.7%になっている。

過去調査と比較すると、子供の「社会的地位は気にしない・計」は少しずつだが増加傾向になった。

「社会的地位の高さを気にするか」

子供の性別でみると、子供の「社会的地位は気にしない・計」と考えている親は、男子で62.5%、女子で60.8%に。

過去調査と比較すると、「社会的地位は気にしない・計」は、男子では増加傾向だが、逆に女子では減少傾向となり、傾向が異なっている。

「社会的地位の高さを気にするか」子供性別・過去調査比較

●親元の近くで働いてほしいか

続いて、中学生の子供がいる男女に、子供の将来の進路選択や働き方に対する考えの一つとして、勤務地について「親元の近くで働いてほしい」のか「勤務地は気にしない」のかを質問。

すると、「親元の近くで働いてほしい」は9.4%、「どちらかと言えば親元の近くで働いてほしい」は36.8%、「どちらかと言えば勤務地は気にしない」は40.7%、「勤務地は気にしない」は13.2%という結果になった。

一方、「勤務地は気にしない・計(どちらかと言えば含む)」は53.9%で、過去調査と比較すると増加傾向にある。

「親元の近くで働いてほしいか」

子供の性別でみると、子供の「勤務地は気にしない・計」と考えている親の回答割合は、男子で57.0%、女子で50.6%と男子の方が6.4ポイント高くなった。過去調査と比較すると、子供の「勤務地は気にしない・計」は特に女子で顕著に増加傾向となっている。

「親元の近くで働いてほしいか」
子供性別・過去調査比較

■【コロナ禍前と比較した就労環境の変化】

●コロナ禍前(2019年以前)と比較して、働き方や仕事の環境は変化しているか

中学生の子供がいる男女に、コロナ禍前(2019年以前)と比較して、働き方や仕事の環境は変化しているかを質問。

「コロナ禍前と変わらず、同じ会社で働き続けている」と「コロナ禍前と違う会社で現在働いている(起業・フリーランス等も含む)」の回答者に、コロナ禍前(2019年以前)と比較して、働き方や仕事の環境は変化しているかを聞くと「変化あり」が53.4%、「変化なし」が46.6%となった。

就労状況別にみると、「変化あり」は正社員/自営業・フリーランス等の個人事業主が58.0%、非正規雇用が41.7%で、正社員/自営業・フリーランス等の個人事業主の方が割合が高くなっている。

コロナ禍前と比較した就労環境の変化:就労状況別

●変化内容(雇用形態別)

「正社員/自営業・フリーランス等の個人事業主」のみの集計でみると、「テレワークができるようになったが、現在は出社頻度は増えた」が最も高く26.7%、次いで「テレワークができるようになり、現在も頻度は変わらない」が25.4%と続く。

コロナ禍前と現在の就労状況別にみると、コロナ禍前と現在が「違う会社」の回答者は、コロナ禍前から「同じ会社」に勤めている回答者に比べ、「所定労働時間が短くなった」や「雇用形態・勤務形態を変えた」の回答割合が高くなっていた。

コロナ禍前と比較した就労環境の具体的変化:
現在の就労状況が正社員/自営業・フリーランス等の個人事業主のみ集計

「非正規雇用」のみの集計でみると、「休みが取りやすくなった」が最も高く23.4%、次いで「雇用形態・勤務形態を変えた」20.7%、「所定労働時間が短くなった」18.0%に。

コロナ禍前と現在の就労状況別にみると、コロナ禍前と現在が「違う会社」の回答者は、コロナ禍前から「同じ会社」に勤めている回答者に比べ、「休みが取りやすくなった」や「雇用形態・勤務形態を変えた」の回答割合が高くなる傾向となった。

コロナ禍前と現在の就労環境の具体的変化:現在の就労環境が非正規雇用のみ集計

●仕事の充実度への影響

続いて、「変化あり」の回答者について具体的にどのような変化があったのかを集計。

その結果、「テレワークができるようになり、現在も頻度は変わらない」が22.0%で最も高く、次いで「テレワークができるようになったが、現在は出社頻度は増えた」が21.8%、「休みが取りやすくなった」が21.2%、「残業時間が減った」18.6%と続いている。

仕事の充実度別でみると、全体計で上位となった「テレワークができるようになった(現在も頻度は変わらない/現在は出社頻度は増えた)」「休みが取りやすくなった」「残業時間が減った」は、仕事が「充実していない」者よりも「充実している」者の回答割合が高い傾向に。

コロナ禍前と比較した就労環境の具体的変化

こういった環境変化が、仕事が「充実している」と感じられる一因にもなっているようだ。

<参考>
アイデム『【中学生の親対象】子供に望むキャリアと自身の働き方に関する調査