大和物流とT2は、自動運転トラックを活用して住宅用建材や設備等を幹線輸送(※1)する実証実験を、7月2日より開始すると発表した。関東と関西を結ぶ高速道路の一部区間にて実施されるとのことだ。

自動運転トラックによる住宅建材の幹線輸送実証を開始へ

同実証は、自動運転トラックによる住宅建材輸送において、輸送品質の確保と安定的な輸送体制の構築を目的に、大和物流が大和ハウス工業に提供している調達物流(※2)の幹線輸送で実施される。

住宅建材には、重量物・長尺物・繊細な内装材など多様な種類が含まれ、輸送中の振動や衝撃による破損・変形のリスクが高く、品質不良が施工の遅延や再手配のコスト増につながる課題があるという。

同実証では、こうした課題に対し、自動運転トラックによる荷姿や重量が不均一な建材の積合せ輸送における輸送品質の検証に加え、貨物を積載した状態での走行ルートやリードタイムの確認も行うとしている。

調達物流の流れと同実証の役割分担

また両社は、同実証をもとに、2027年からのレベル4 (※3)自動運転トラックの運用開始に向けた知見の蓄積を進める方針だという。さらに、対象となる輸送品目も、大和物流が取り扱う建材以外の貨物へ順次拡大していく予定だとしている。

■実施概要

時期
2025年7月2日から2025年10月末日まで(全4回を予定)

場所
関西から関東にかけての高速道路上の一部区間
行程:大和ハウス工業「奈良工場」(奈良県)→大和物流「海老名物流センター」(神奈川県)

役割
大和物流:積載貨物の提供、輸送オペレーションの設計および提供
T2:実証実験全体マネジメント、実験用自動運転車両の提供

トラック
T2が開発したレベル2(※4)自動運転トラック(ドライバーが乗車し、レベル2相当で実施)

積載
大和ハウス工業向けの住宅建材および住宅設備

検証内容
・荷姿・重量が不均一な建材の積合せ輸送における、自動運転トラックの輸送品質の検証
・貨物を積載した幹線輸送における、自動運転走行ルートおよび走行リードタイムの検証
・想定オペレーションパターンにおける有効性の検証

(※1)集荷した貨物をまとめて大型トラックで別の拠点に運ぶこと
(※2)工場や施工現場で使用する資材等の貨物をサプライヤーの拠点へ購買側が自ら引き取りに行く物流の形態
(※3)特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態

’(※4)ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転