日清製粉は、岡山県倉敷市の臨海部に建設していた業務用小麦粉の新工場が完成し、「水島工場」として本格稼働を開始したと発表した。

同工場は、同社が創業以来125年にわたって培ってきた技術に加え、IoT・AI・ロボット等を活用した「スマート工場」として稼働。
生産ラインの調整や副資材・製品の搬送、データの収集・分析、生産計画の策定に至るまで広範な業務を自動化しており、数年以内には一定の時間、無人でオペレーションできる工場を目指しているという。
さらに、将来的には同工場で実装した最新技術を国内外の工場に展開し、全社的に生産性を20%以上向上させることを目標としている。

工場内には太陽光発電設備や省エネ設備を導入しており、非化石証書を活用し、使用電力の100%を実質再生可能エネルギー化することで、カーボンニュートラル工場として脱炭素社会の実現にも積極的に取り組むという。
また、「国際バルク戦略港湾(※)」に指定された水島港内の瀬戸埠頭に隣接しており、直接大型船を接岸できるため、原料小麦を効率的に調達可能。さらに、高速道路にも近く、小麦粉のスピーディーな供給が可能な立地環境となっている。
同工場の稼働により、関東・関西・九州に続き、中四国地区における臨海大型工場への生産集約が完了。中四国エリアの利用者へ、より安定的かつ効率的な製品供給を実現するとのことだ。
■工場概要
工場名:日清製粉株式会社 水島工場
所在地:岡山県倉敷市児島塩生2767−33
生産品目:業務用小麦粉
総工費:約180億円
設備能力:
・1日当たり小麦挽砕能力:550トン(2ライン)
・小麦粉サイロ収容力:4,200トン
・立体自動倉庫収容力:20万袋(5,000トン、1袋=25キログラム)
(※)国土交通省が、資源、エネルギー、食糧等の安定的かつ安価な供給のために選定した港湾。効率的な運営体制の確立、船舶の運行効率改善のための制限の緩和、港湾間や企業間の連携の促進等の取組みが行われている。