リーディングマークは2019年5月20日、2019年4月16日に同社社より発表した「上位大就職人気ランキング」の背景を分析した記事をリリースした。
このランキングでは、大手日系老舗企業が上位20社を独占し、上位大の学生が引き続き大手志向であることが明らかになった。一方で、金融業界の人気が下降し、総合商社の人気にも下降の兆しが見られた。
依然続く商社人気。デベロッパーや広告代理店は順位が全体的に上昇
今回同社は、大手日系老舗企業人気の要因について、上位校生が就職する上で何を重視しているかという観点から分析を試みるとともに、上述した大手日系老舗企業人気という傾向がすべての上位校生に当てはまるのか、時期別の企業人気の変動とその要因分析を紹介している。
まず、「2020年卒就職人気ランキング」では、五大総合商社が上位5社を独占し、別調査から志望学生の割合は最盛期に比べピークアウトしているものの、依然商社人気が続いていることがわかった。また、デベロッパーや広告代理店は順位が全体的に上昇し、人気が根強く、メーカー、機電系を中心に人気が上昇していた。
金融は、金融不人気が叫ばれ、損害保険会社や信託銀行などが全般的に順位を落とすも、メガバンクについては堅調な人気を維持していることがわかった。総じて、大手日系老舗企業人気は例年と変わらない結果となった。
このような結果になったのは、業界別・企業別の事情もある。機電系メーカーについては、数年前の経営悪化のニュースがひと段落し、IoTやAIといったキーワードへの注目とともに人気を持ち直してきていると考えられる。広告代理店は、数年前に過労死問題で業界全体として人気が低下したものの、数年の経過とともに一時の不人気から立ち直りつつあるという背景もある。
これらの企業に共通する特徴には、「安定」「高収入」が期待できる日系各業界のリーディングカンパニーであるということが言えるが、その上でなぜ上位校学生の人気が維持されているのだろうか。これから述べる分析で見えてきたのは、「一定の業務のチャレンジ性」を求めつつ「将来」の「堅実な成功」を重視する上位校生の姿だったと同社ではみている。
大手日系老舗企業の人気は変わらず
このような分析の結果、以下のことが判明した。
- 2020年卒人気ランキングの特徴と背景:大手日系老舗企業の人気は変わらず
- 日系大手人気の背景:超上位校生は「将来の堅実な成功」をねらう
- 時期別のランキング:早期は外資系企業人気、徐々に日系大手が順位を上げる結果になった
- 要因分析:就活を行う学生層の違いと学生の企業理解の深まりが背景にある
※本調査は2019年5月時点のもの。
調査は、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京工業大学、一橋大学、京都大学、 大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学など計22大学 5,328名を対象に行われた。
<参照元>
『リーディングマーク上位校就職人気ランキングの詳細分析記事をリリース』
リーディングマーク