認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)は、第9回「こども食堂の現状&困りごとアンケート2024」を実施し、結果を公表した。
同社は、新型コロナが国内で確認された2020年から、こども食堂にそのときどきの状況や困りごとについて聞くアンケート調査を実施。
第9回となる今回も、コロナ禍でのこども食堂の開催状況の推移や物価上昇の影響などを明らかにしたとのことだ。
■第9回こども食堂の現状&困りごとアンケート結果(一部抜粋)
活動実施状況については、「会食(参加者が会場に集まって食事をする)」と回答したこども食堂が83.5%を占めて最も多くなった。
会食形式の活動を実施するこども食堂の割合の推移をみると、昨年6月に実施した第8回こども食堂の現状&困りごと調査では70.6%となっており、昨年9~11月に実施した第2回こども食堂実態調査では81.3%まで増加。今年7~8月に実施した第9回調査では83.5%となっている。
また、「物価上昇による影響を感じている」というこども食堂は88.5%となっており、依然として9割程度を占めている。「物価上昇による影響を感じており、物価上昇前に比べて開催頻度や料金、食事の内容などを変更する予定」というこども食堂は9.0%で、前回調査(15.6%)から減少。
一方で、「物価上昇による影響を感じており、物価上昇前に比べて開催頻度や料金、食事の内容などを既に変更している」というこども食堂は12.7%で、前回調査(9.4%)、前々回調査(6.9%)から増加。
物価上昇により、何らかの変更に踏み切ったこども食堂が増えている。
困りごととしては、「運営資金の不足」が54.1%で最も多く、「運営スタッフの不足・後継者不足」が52.5%、「必要な人に支援を届けるための周知・広報」が45.9%、「食材の不足」が31.4%などがつづき、上位項目は前回調査(第8回こども食堂の現状&困りごと調査)とほぼ同様となっている。
4番目に多い「食材の不足」をあげたこども食堂について、以前(2022年ごろ)と比較して物資・食材の寄付状況を聞くと、「減っている」が56.5%を占めた。
寄付としてもらうと嬉しい食材・物品としては、「米」が80.1%で最も多く、次いで「お菓子」64.6%、「おかず類(冷凍の肉/魚/加工品)」が64.5%と続く。
困りごととして「食材の不足」が4番目にあがっており、上記のように寄付としてもらうと嬉しい食材・物品としては、「米」が最も多く、他の食材・物資を大きく上回っていることから、同社は最近の米不足のこども食堂への影響がうかがえるとしている。
ITツールの活用について、「LINEグループ」「公式Instagram」「ホームページ」の利用率は4割前後を占めて高いくなった。
「地元農家やフードバンク等との食材マッチングシステム」や「物品寄付集めのためのこども食堂用Amazonほしいものリスト」については、「ぜひ利用したい」が他のツールより多くなっており、食材・物品支援へのニーズがうかがえる結果に。
【調査概要】
回答期間:2024年7月27日~2024年8月19日
回答対象:各地の「こども食堂の地域ネットワーク」および「こども食堂ネットワーク」とつながるこども食堂
回答方法:WEBの回答フォーム
回答件数:47都道府県・1,307件(重複回答を除く)
実施:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
<参考>
むすびえ『第9回「こども食堂の現状&困りごとアンケート2024」』