SRS Connectは、9月3日から10日にかけて、バイオマスパワーテクノロジーズ、玉木材と連携・協力し、ドローンを活用した獣害対策資材輸送の大規模実証実験に成功したと発表した。
昨今、紀伊半島の山々では鹿による深刻な食害被害が続出し、植林しても育たないという悪循環に陥っていたという。その対策として、防獣対策資材の設置が必要だったが、支柱や網など重量物の人力輸送は困難で危険度が高く、多くの時間と多額のコストを強いられていたとのことだ。
そこで、ドローン事業者と林業事業者のそれぞれの立場からの知恵を結集し、ドローンを活用した「新しい林業」の構築を目指して、奈良県五條市の山間部で実証実験を実施。その結果、輸送時間、機体の安定性、発着陸の安全性など、貴重なデータを収集することに成功したとのことだ。
同実験では、DJI社の最新鋭物流ドローン「DJI FlyCart 30」を使用し、急勾配の山林で実験期間中に300回を超える大規模な荷上げ作業を実施。現場からは「荷物を背負う場合に比べ、格段に楽になる」という声が寄せられ、林業従事者の負担軽減や働き方改革、労働環境改善への期待が高まっているとのことだ。
今後は、バイオマスパワーテクノロジーズが中心となり、同実験で得られたデータを詳細に分析し、新たな手法や技術開発に活かし、低調な林業の再生に挑戦していくとしている。