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ヴァリューズは、2018年12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」(※)で利用されたスマートフォン決済アプリ、PayPayの利用動向を調査し、その結果を発表した。
主な結果が以下になる。
- キャンペーン終了の12月13日、約471万人がPayPayアプリを起動
- キャンペーン期間でのメインユーザーは40代以上のミドル・シニア層
- 富裕ユーザー比率は増加傾向に
(※)「100億円あげちゃうキャンペーン」:12月4日~13日の10日間で利用金額の20%(月上限25万円のうち最大5万円)が全員に、当選すればさらに全額キャッシュバックするキャンペーン。
調査、分析概要は以下になる。
同社保有モニターパネル(20代以上)のスマホ行動ログデータを用いて、「PayPay」アプリおよび主要決済アプリのユーザーの行動ログを分析。
※行動ログは、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用。
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでのインストールおよび起動を集計し、ヴァリューズ保有モニター(20代以上)での出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※「LINE Pay」は決済機能単独でのログが取得できないため、主要アプリの対象外としている。
12月13日、約471万人がPayPayアプリを起動
主要決済アプリの起動ユーザー数(2018年12月)
まず、主要決済アプリ(PayPay、Origami、楽天ペイ、PayPal、PayB、QUICPay)の日次起動ユーザー数を2018年12月でみてみたところ、PayPayはキャンペーン開始からの急増が顕著となっている。
12月3日(月)に104万人程度だったPayPay起動ユーザーはキャンペーン開始の4日(火)には約203万人と倍増し、さらに12月7日(金)〜8日(土)週末は約366万人に到達。キャンペーン予算上限額に達した13日(木)は、駆け込み需要と見られ約471万人がアプリを起動した。
また、12月2日(日)にはOrigami、3日(月)には楽天ペイの起動ユーザー数を抜いていることが明らかになった。
12月21日(金)~25日(火)限定で50%ポイントバックキャンペーンを実施した楽天ペイも12月20日(木)にはPayPayから首位を奪取し、キャンペーン期間中の22日(土)には約187万人が利用していることから、キャッシュバックやポイント還元の効果はわかりやすいとの考えを示している。
12月のPayPay新規ユーザーのうち9割がキャンペーン期間に
主要決済アプリをインストールしたユーザー数(2018年12月)
12月中でで約541万人の新規ユーザーのうち、489万人がキャンペーン期間中に集中していることが明らかとなった。
12月1日(土)には約10万人に満たなかった日次インストールユーザーが、開始当日4日(火)には約50万人に到達。週末8日(土)のピークには約60.4万人がPayPayをインストールしていることがわかる。
楽天ペイもキャンペーン開始前日の12月20日(木)に約6.7万人が新規インストールがあり、普段よりも多い結果となった。
同社は、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は、新規ユーザー獲得にも貢献しているとの考えを示している。
また、楽天ペイの12月14日(金)の新規インストール増加は、突然のPayPayキャンペーン終了に間に合わなかったユーザーの、次なるお得探しが含まれたものではないかと述べた。
主要決済アプリの月次ユーザー数推移(2018年12月)
月次のユーザー数推移からは、10月のサービス開始当初に16.1万人とQUICpayを下回っていたPayPayが、12月に約36倍の581万人に急増し、楽天ペイやOrigami決済アプリを抜き去ったことがわかる。
キャンペーン期間でのメインユーザーは40代以上のミドル・シニア層
12月のPayPayアプリ起動ユーザー分布(年代別)
年代別では、40代が3割程度で推移しており、利用の中心とみられ、他方50代以上のユーザーもキャンペーン期間前後で2割を超え、終了後は3割以上に達した。
女性とシニアによるユーザー増
2018年10月~12月のPayPayユーザー層推移(男女別)
サービス開始10月からの月次ユーザー数推移によると、10月当初10%にも満たなかった女性ユーザーが、キャンペーンの12月には4倍弱の36.0%に急増していることがわかる。
2018年10月~12月のPayPayユーザー層推移(年代別)
年代別では、当初14.5%だった50代以上のユーザーが、12月には27.9%増え、全体に高齢化したことがわかる。
特に60歳以上の増加が顕著で、10月の4.4%から12月の12.5%へ8ポイントシェアを増やし、相対的に、当初37.7%を占めていた20代が23.6%へと、14ポイント減少している。
富裕ユーザー比率は増加傾向に
2018年10月~12月のPayPayユーザー層推移(世帯年収別)
3ケ月間の推移からは、世帯年収1000万円以上ユーザーは10月の11.2%から12月14.0%へ3ポイント、800万~1000万円未満ユーザーは10月の11.0%から12.5%へ2ポイント増加し、12月時点で合計26.5%に到達していることが明らかとなった。
最も増加が顕著だったのは世帯年収400万~600万円未満と600万~800万円未満の平均的なユーザーで、それぞれ7ポイント、8ポイントシェアを拡大。反対に10月当初48.3%と半数近かった400万円未満のユーザーは、12月時点で28.2%に減少している。
2月12日からは「第2弾100億円キャンペーン」を展開するPayPay。第2弾では支払い手段によって還元率に差が設定され、PayPayボーナスの付与上限が1回あたり1000円、キャンペーン期間中5万円に変更となった。
同社は、今後、利用者数やユーザー層はどのように変化するのか、他社決済アプリへの影響など、動向に注目するとしている。
<参照元>
PayPay「100億円あげちゃうキャンペーン第1弾」のマーケティング効果を調査
VALUES