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マーケティングリサーチを手掛けるインテージでは、ここ数年で普及が進んでいるCtoCのデジタル商取引「フリマサービス」の利用実態を調査(※)し、その結果を発表した。
この調査では、インターネット人口を母集団とした「デジタル統合視聴率」をもとに利用実態を明らかにしている。調査の主な結果は以下のとおりだ。
- ネット人口の2割がNo.1フリマサービスを利用
- 9割のフリマサービス利用者は、あわせてEC・オークションも利用
- フリマサービスはEC・オークションと比較してファッションアイテム、キッズ・ベビー・マタニティ用品の購入が多い
- EC・オークションと比べフリマサービスの購入金額は少ない傾向
※調査概要について
調査対象者などの詳細は、各調査結果の図表に記載
No.1フリマサービスはネット人口の2割が利用
まずは、インターネット人口を母集団とした「デジタル視聴率」のデータをもとに、フリマサービスの利用率をみてみる。
なお、フリマサービス利用者のなかにもパソコンを使う人、スマートフォンを使う人、複数のデバイスを横断して利用する人などさまざまであり、これまでの調査ではデバイスごとの利用率のみ確認が可能だった。
しかしデジタル統合し視聴率では、デバイスごとの利用率はもちろんのこと、デバイスを横断したデジタル全体の視聴率についても精緻に計測されている。
これをふまえ、フリマの代表としてネットユーザの利用率が業界No.1のフリマサービスA(以下、「フリマ A」)の利用率を調査。
あわせて業界No1のECサービスB(以下、EC B)、オークションサービスC(オークションC)と比較した。
インテージによれば、フリマAはフリマサービスのユーザーの8割近くが利用し、EC B及びオークションCは業界を代表するサービスであるため、これらを比べることにより、業界の特徴を明らかにできるとのことだ。
※購入有無にかかわらず、ブラウザ・アプリでの接触経験があることを「利用」と定義している。
その結果、デバイスを横断した「フリマA」の利用率は20.9%でオークションC(33.1%)には及ばないものの、デバイス別にみるとスマートフォンからの利用率はフリマA(17.7%)、オークションC(19.8%)がほぼかわらない水準となった。
フリマサービスは比較的若い層がスマートフォンで利用する傾向
各サービスの性年代別利用率をみると、「フリマA」は若い年代ほど利用率が高く、男性10代・女性10~30代では「オークションC」より利用者が多いという結果だった。
これらの結果より、フリマサービスがEC・オークションと比べ若い層を中心としてスマートフォンにて利用されているということがわかる。
9割のフリマサービス利用者は、ECやオークションも併用
フリマサービスの利用者は、EC・オークションといったほかの電子商取引サービスも使っているのだろうか。
フリマA利用者にほかのサービスを併用しているか聞いたところ、フリマAのみという回答は10%にとどまった。ほとんどはEC B・オークションCのいずれか、もしくは両方を併用・使い分けしているという結果となった。
フリマサービスでの購入が目立つのはファッションアイテム、キッズ・ベビー・マタニティ用品
フリマサービスとEC・オークションはどのように使い分けられているのだろうか。今回の調査では、フリマA・EC B・オークションCで売買された商品や1回あたりの購入金額を比較して特徴をみている。
その結果、フリマAで最も多く購入されているのはレディースファッションで、本・雑誌・コミック、化粧品・香水、キッズ・ベビー・マタニティ用品、メンズファッションなどが続く。
フリマAはファッションアイテムの売買が中心となっているようだ。EC B・オークションCと比較してフリマAでの購入が多いのはレディースファッション、化粧品・香水といったファッションアイテムおよびキッズ・ベビー・マタニティ用品だった。
EC・オークションと比べフリマサービスの購入金額は少ない傾向
1回あたりの購入金額をみると、フリマAはEC B・オークションCとは異なる傾向があった。フリマAでは1万円未満の少額決済が全体の8割強となるなど、ほかの2つと比べ購入金額が少なくなっている。
インテージは、EC Bではまとめ買いの対象となる本・CDといったソフト類や、信頼できるところから買いたい新品パソコンや家電といった耐久消費財がよく売買され、オークションCでは車・バイク用品といった高額な商品の取引が行われやすいのに比べ、使わなくなったファッションアイテムを売るフリーマーケット的な発想を起点とするフリマAでは比較的少額のやり取りが多いようだ、と指摘している。
img:PR TIMES