プロテックスは、新型コロナウイルスオミクロン株に対する抗体に関して、オミクロン株(BA.1)対応ワクチンの一般接種が始まった2022年9月以降、どの様にワクチン接種の効果(抗体量)が変化するかを自社研究所で調査し、結果を公表した。
今回は、オミクロン株(BA.1)ワクチン接種の登場で、抗体保有状況がどように影響していくかを評価するため、接種開始時から約3か月後の2022年11月末時点まで、抗体保有調査を実施したとのことだ。
【調査結果】
オミクロン株(BA.1)に対する抗体量は、2022年9月末の検査対象者の中央値で18(AU/ml)であったが、2022年10月末には約108(AU/ml)と約5倍に増加。これはオミクロン株(BA.1)ワクチンの有効性(抗体の有無)および効果(抗体価)の現れだと同社は考察している。
また、2か月後の2022年11月末に実施した調査では、BA.1に対する抗体が2022年9月末の水準と比較して更に高まり、10倍以上の183(AU/ml)に増加していたことを確認。この結果から、オミクロン(BA.1)対応ワクチンには、期待された効果が発揮されていると考えることができる。
ただ、2022年9月末時点と比較すると、2022年10月末以降はBA.5に対する抗体も増加しているが、2022年10月末から2022年11月末にかけては、ワクチン接種の増加指標となり従来株に対する抗体量が増加しているにもかかわらず、BA.5に対する抗体量は、ほとんど変化が見られていない。
また、2か月以上経過しても、十分な抗体量を保有できていないことがわかった。
現在、流行しているBA.5変異株に対抗するべく導入されたオミクロン株(BA.5)対応ワクチンの接種により、BA.5に対する抗体がより多く作られることが期待されている。
しかし上記の結果から、2022年11月末時点では、オミクロン株(BA.5)対応ワクチンは、オミクロン(BA.1)対応ワクチンに比べて、接種率が低く、10月後半の接種開始からあまり時間が経過していないこともあり、まだその効果が現れていなかった可能性があると同社は考察している。
そのため、同社は引き続きオミクロン株(BA.5)ワクチン接種後のBA.5に対する抗体量の変化を調査し、後日、結果を報告する予定とのことだ。
【調査概要】
検査目的:新型コロナウイルスに対する抗体の保有量調査
検査方法:従来株、オミクロン株のスパイクタンパク質断片(受容体結合領域)に対する抗体の抗体保持量(抗体価)を調べられるイージードクⓇ『変異株抗体検査』にて調査
検体検査時期:2022年9月1日~2022年11月30日
対象:イージードクⓇ『変異株抗体検査』を受けた国内在住で調査協力に同意を得られた340名
対象者数(9月):50名(20代以下10%、30代4%、40代16%、50代40%、60代以上30%)
対象者数(10月):216名(20代以下10%、30代8%、40代23%、50代28%、60代以上31%)
対象者数(11月):74名(20代以下9%、30代12%、40代26%、50代36%、60代以上16%)
<参考>
プロテックス『抗体保有調査』