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LIDDELLは2018年12月28日、同社が行っている「インスタグラム上におけるトレンド定点観測」において、動画機能 “ストーリーズ”に着目し、その親しまれ方の傾向や使用するミレニアルおよびZ世代特有の心理的な傾向についての解説を発表した。
同社によると、インスタグラムが他のSNSと異なる点のひとつに、「リアルタイム性」を求めない投稿内容が挙げられるという。これは、即時性ではなく価値観にこだわった投稿をしていくということだ。そうした特性に対し、投稿から24時間で消える動画であるストーリーズ機能は、気軽にアップしやすくカジュアルに楽しめることから人気が高まっているという。
今や一般の投稿よりもストーリーズをチェックするユーザーや、さらにはストーリーズしかチェックしないというユーザーが出現するまでに至っている。今回はそうしたストーリーズのトレンドを、当社独自分析に基づき検証した。
それによると、ストーリーズの使い方は大きく3つに分類できるという。
「自分CM」としての使用
一つ目は、「自分CM」としての使用例だ。これは芸能人含め、人気インフルエンサーなど、人前に出たり、ファン有する人に多いストーリーズで、おおむねフォロワー数の中央値は78,779人ほど、一定数の閲覧者を擁する投稿主が行う傾向にあるという。
主に、イベントやメディア出演、手がけた商品の発売など、自分の活動にまつわるお知らせを目的とした「告知」と新しい投稿を宣伝する「NEW POST」の2つのパターンにわけられるとしている。
「告知」は商業的な色が濃くなりやすく世界観を崩す懸念があるため、自分のフィードではなくあえてストーリーズに投稿するという。反対に「NEW POST」は、視聴率と視認性の高いストーリーズから作り込んだ最新ポストが載っているフィードへと促す宣伝を目的しており、2つのパターンは似ているようで逆のベクトルを向いているという。
こうしたストーリーズの使い分けは特にミレニアル・Z世代において顕著であり、インスタグラムを自己ブランディングの場と捉えていること、また商業的・広告的な情報に敏感だからこその傾向と言えると分析している。
「アンケート機能」を使った自己主張型
二つ目は、「アンケート機能」を使った自己主張型である。投稿者によるオリジナルの質問に対して、答えを記述するタイプと選択式のタイプがあるが、実は真にアンケートとして使っているケースは少なく、ミレニアル・Z世代が持つ行動原理によって用途が変わる“形式的アンケート”が多いことがわかったという。
「アンケート機能」はあくまで形式的なものであり、目的やタイミングに応じて異なる意図を持って使わる特徴を持ったのがストーリーズだという。しかしながら、全体の投稿数から見たこの用途における投稿の出現率は1.19%(=10/840)ほどとまだ少なく、インスタグラムを活躍の中心に置いている人や自分から発信することを好む限られたユーザーが好む使い方となっているという。
速報的に使われ人気の「ツイッター風」
三つ目は「ツイッター風」の用途である。これは、投稿しても24時間で消失するため、速報的に使われ最近人気となっているという。代表的な使用例は、ニュースやドラマ、スポーツの試合などを“リアタイ視聴”している際に、そのTV画面を速報的にアップすることだという。
TVを見ながらもスマホを手放さず、SNSなどでコメントし合いながら視聴するミレニアル、Z世代ならではの行動だ。また、もうひとつ特徴的な使用法がいわゆる“ゆる募”だという。「今渋谷にいる人飲みましょう」「3限休講の人?」といった、不特定多数に向けてライトに声をかけ、反応が合った人と合流する使い方だ。
断られるもしくは断らなければいけない可能性のある1対1のコミュニケーションは避け、ゆるく集まるスタイルは、“チル”を好むミレニアル・Z世代の空気感にマッチした使用法と同社では分析している。
img:PR TIMES