キリンホールディングスは、9月の「世界アルツハイマー月間」に合わせて、日常生活の変化と認知機能についての意識調査を行い、結果を公表した。
調査結果
■直近の生活変化について
最近2~3か月で、30分以上外出する日数は週に何日かを調査したところ、39%の人が週6~7日で30分以上の外出をしていると回答。コロナ自粛期間中は28.9%だったことを踏まえると、全体的に外出頻度は増えている結果に。
■コロナ自粛明けに、外出して実施したこと
店舗でのショッピングやレストランでの外食と回答する人がいずれも約4割と、オフィスへの出勤を上回った。
■次の生活習慣の中で、現在行っていて、今後も続けたいこと
同質問では、十分な睡眠をとることに最も関心が集まった。また約4割の人が規則正しい生活やウォーキングなどの生活習慣を今後も続けていきたいと回答した。健康意識への高まりが全体的に見て取れる。
■日常生活がコロナ自粛前の状態に戻りつつある中で、現在とコロナ禍以前を比べて感じた変化はあるか?
最近2~3か月とコロナ禍以前を比較した際に自身が感じる変化として、1位「疲れやすくなった」、2位「筋力が落ちた」と、いずれも約3割の人が自身の身体の健康についての変化を感じている。
また、4位「他人と会うのをおっくうに感じる」は、19.7%の人が回答。6位「話したい内容が思い浮かんでも、スッと言葉が出てこない」と、18%の人が認知機能の中でも言語能力の衰えを感じると回答している。
■次の日常の場面のうち、「認知機能」が役割を果たしていると思うもの
「久しぶりに会った知人・友人の人の名前がすぐに思い出せる」、「外出するときの忘れ物をしない」など、認知機能が記憶力において役割を果たしていると考える人が多く、今後低下すると不安な「認知機能」としては、79.8%が将来の自身の記憶力の低下に不安を抱いていた。
■周囲で、認知症と診断された人や「認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力)」が低下していると感じる人はいるか
37%が、「周囲に認知症と判断された方や、認知機能が低下している人がいる」と回答。
■「認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力)」を維持・向上したいと思うか
認知機能の維持・向上を「とてもしたいと思う」と回答した人が52.6%、「まあ思う」と回答した人が37%。合計で約9割が認知機能の維持・向上に意欲があると回答する結果に。
また、約9割が認知機能の維持・向上に意欲があると回答した一方で、実際に認知機能の維持・向上に取り組んでいる人は約46.8%と、意欲と取り組みの実態には差があることがわかった。
■「認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力)」の対策は何歳頃から取り組むべきだと思うか
認知機能の維持・向上への対策を始めるべきと思う年代については、分からないという回答が最も多かったものの、「50代前半から」、「40代前半から」、「40代後半から」と、中高年に差し掛かる年代から対策を始めるべきと考えている人が多かった。
また、20代や30代は今の自分の世代から対策を始めたいという回答が多く、認知機能の維持・向上への対策は高齢になってからのものではないこと、若い世代においても認知機能の維持・向上の自分事化が進んでいる傾向が見られた。
■認知症に対する不安
認知症に対する不安が「とてもある」と回答する人が23.6%、「まあまあある」と回答する人が43.9%と、合計で約6割の人が認知症への不安を抱えていることが判明。
■認知症のリスク低減、認知機能維持に効果がある可能性があると言われていることで、知っているもの
適度な運動やバランスのよい食事をとるといった、規則正しい生活習慣やゲームや囲碁などによる知的活動、他社との交流などが、認知機能維持に効果があると知られている傾向に。
■もしも、自分や家族に認知機能の低下が見られた場合、どのような対処するか
自分や家族に認知機能の低下が見られた場合の対処について、運動は49%、「知的活動」や「他者との交流」など、自身の日常生活における行動を変化させることで対処をしようとする人がいずれも約4割となった。
なお、一般食品やサプリメント摂取など、食品摂取で対処しようとする人、認知機能改善のアプリケーション利用も約15%という結果に。
■もしも、自分や家族に認知機能の低下が見られた場合、どのような対応をするか
自分や家族に認知機能の低下がみられた場合は、「医師に相談」と回答する人が72.1%となった。
調査概要
対象:全国20歳以上の男女
有効回答数:3,175名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年7月15日~7月18日
<参考>
キリンホールディングス『日常生活の変化と認知機能に関する意識調査2022年7月実施 キリン脳研究』