Amazonと三菱商事は、両社が日本の22メガワット(MW)太陽光発電プロジェクトでの電力購入契約(PPA)を締結したことを発表した。

三菱商事の電力小売事業子会社である、MCリテールエナジーが運用する集約型太陽光発電プロジェクトは、首都圏および東北地方にある現在開発中の450か所以上の拠点で構成されている多数の地上設置型の太陽光発電設備で構成されており、2022~2023年にかけて順次稼働する予定であるという。

すべての設備が稼働すると、プロジェクト全体で年間23,000メガワット時(MWh)の再生可能エネルギーを生成できるようになり、これは日本の一般家庭5,600世帯分以上の電力に相当するとのことだ。

同契約は、コーポレートPPAを活用した集約型太陽光発電プロジェクトとしては日本初で最大のものとなり、再生可能エネルギーの利用拡大に大きな道筋をつくるとしている。

アマゾン ウェブ サービス エネルギー戦略 ディレクターであるナット・サルストロム(Nat Sahlstrom)氏は、次のように述べている。

今回、日本で進める本プロジェクトは、2030年までに全世界の事業を100%再生可能エネルギーで賄うというAmazonの取り組みを加速させるものです。このプロジェクトによって、当初の予定より5年早い実現に向けて進行しています。

今回の三菱商事との共同プロジェクトは、アジア太平洋地域における当社の再生可能エネルギーへの取り組みにおいて重要な意味を持ちます。アジア太平洋地域では、企業が再生可能エネルギーを調達する際に、利用可能なエネルギーが限られていたり、規制が複雑であったり、コストが高いなどの問題に直面することがあります。

また日本で初のコーポレートPPAとして、現在の送電網で利用可能な容量に新たな容量を追加にすることで、日本における再生可能エネルギーの活用を広げ、価格の適正化を促進します。私たちAmazonは、アジア太平洋地域の企業にとって再生可能エネルギーの調達方法を拡大できるように、地域の民間および公共のパートナーと協力していきます。

三菱商事 エネルギーサービス本部 本部長 岡藤裕治氏は、次のようにコメント。

Amazonと共同で取り組む本プロジェクトは、三菱商事、日本、そして私たちが共に掲げる再生可能エネルギーへの取り組みに対する大きな一歩となります。なお、ウエストホールディングスが三菱商事とともに、本プロジェクトにおける建設を担います。

また、本プロジェクトは三菱商事とAmazonの間で締結された、2件目となる世界規模でのコーポレートPPAであり、1件目はAmazonと三菱商事の子会社であるEnecoによる、オランダでの洋上風力発電事業におけるコーポレートPPAです。

これまで三菱商事も自社の温室効果ガス排出量の削減に努めてきましたが、現在、地球規模での気候変動対策の導入が求められており、再生可能エネルギーへの転換による事業活動の二酸化炭素排出量の削減は、多くの企業にとって最優先事項となっています。そのため、三菱商事は再生可能エネルギーの活用拡大を図り、地球の脱炭素化に貢献します

Amazonは世界最大の再生可能エネルギーの調達企業として、230以上の風力および太陽光プロジェクトを世界中で展開し、合計の容量は10ギガワット(GW)を超えているという。

現在、企業による再生可能エネルギーへの投資は、世界の多くの地域で進む新たな再生可能エネルギープロジェクトの最大の推進要因の1つとなっている。

Amazonと三菱商事は、この日本で初となる再生可能エネルギー購入契約により、企業の再生可能エネルギー調達の選択肢を拡大するとともに、日本の多くの地域に環境分野への雇用と投資を後押しするとのことだ。

なお、これには公的な助成金への依存や、日本の納税者や料金負担者の負担増もないという。

また、Amazonと三菱商事は長年にわたる協力関係を築いており、アマゾン ウェブ サービスは三菱商事のデジタルトランスフォーメーションを促進するクラウドサービス導入の加速を支援するとともに、クラウド対応エネルギー管理ソリューションを中心とするイノベーションの加速を継続的に支援していくとしている。