国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、空港周辺の騒音低減を目指して研究開発を進めてきた旅客機機体騒音低減技術の実用化に向けて、200~400人乗りの中型旅客機での実証を目指した連携体制を構築したと発表した。
今後の航空旅客需要予測に対応し、空港の国際競争力を強化するため、日本の主要空港では離発着回数を増やすことが検討されているという。
一方、その一例である都心を低空で着陸進入する羽田空港の新飛行ルートでは、旅客機の騒音に対する関心は高く、騒音発生源対策への社会的要請は強まっているとのことだ。
旅客機乗客の利便性向上と、空港周辺地域の騒音被害の軽減の両立が課題となっている。
同体制では、JAXAと国内企業が機体騒音低減技術研究開発(FQUROH)を通じて獲得してきた得意技術を結集し、この課題解決に取り組む。
さらに、旅客機の機体開発経験を多く持つボーイング社とともに中型旅客機を用いた飛行実証を目指した計画立案を行うことによって、機体騒音低減技術の実用化の加速が可能になったとのことだ。
今後、JAXAは同体制のもと2022年度末までに機体低騒音化のデバイス設計を行うと共に、2023年度以降にデバイス開発・飛行実証等計画策定を行い、機体騒音の低減による空港周辺地域の騒音被害軽減に貢献する方針を示している。