「働き方改革」の浸透や、社会で女性をはじめとする多様な人材を活躍させようという経済産業省の「ダイバーシティ」戦略の推進により、女性の社会進出が増えている。このため、女性の労働環境やキャリアパスに対する考え方に変化が起きつつある。
では、今後の社会の中核となっていくミレニアル世代の女性は働き方についてどのような意識を持っているのだろうか。株式会社ココドルは、20代女性の働き方やキャリアに関する意識調査を実施した。それによると、給与よりも「やりがい」を重視する女性が多いことが判明した。
好きなことを仕事にしたい派が圧倒的
この調査、「20代女性のキャリアに関する意識調査」は東京在住のキャリアに前向きな20代女性108名を対象に行われた。調査方法はインターネットを利用したクローズ調査。
まず、仕事に対する考え方について聞いたところ、「好きなことを仕事にしたい」との回答が56%と圧倒的に多かった。以下、「大きな仕事をしたい」が19%、「誰かの役に立つ仕事をしたい」と「得意なことを仕事にしたい」がそれぞれ12%と続いた。
一方、「給与の高い仕事をしたい」はわずか1%しかなく、『仕事に対するやりがい』や『自分がその仕事をやる意義』を重視する傾向にあることがわかる。
以下は回答者のコメントである。
- 「自分のやりたいことや好きなことを仕事にしたい」(20代前半/フリーランス)
- 「自分にとってやりたいと思えることをする方が結果的に生産性も高くなる」(20代後半/会社員)
また、「働き方に関する考え方」について聞いたところ、「自分の名前で働く」が36%と最も多く、以下、「フリーランス」が22%、「パラレルワーカー」が17%と続いた。理想の働き方として、フリーランスや起業といった、会社に属さずに一人の女性として活躍したいと望む人が多いようだ。
中でも「自分の名前で働く」が最多になった理由は、独立といってもフリーランスや起業の場合、受託のような形になるケースが多く、結局のところ「個」として活躍できていない場合が多いという現状があるようだ。
以下は回答者のコメントである。
- 「起業は違うしフリーランスもピンとこない。けど個人として独立して仕事をしたい」(20代前半/大学生)
- 「フリーになったはいいものの結局やってることは会社員時代と似ている。もっと自分の個性を発揮して生きたい」(20代後半/フリーランス)
また、「理想の年収」を聞いたところ、「700万円~1,000万円」が29%と最多だった。以下、「2,000万円以上」が22%、「300万円~500万円」が17%と続いた。これは、現在年収ではなく理想の年収であるため、1,000万円以上を「高収入派」、500万円以下を「低収入派」としてグラフの右に表示した。高収入派と低収入派が二極化していることがわかる。
以下のコメントをみると、低収入派はお金が欲しくないと考えているわけではなく、必要なものに必要なだけお金をかけるという合理的な考え方であることがわかる。
- 「お金は人生において最重要なものではない。けど、最低限生きていけるお金は欲しい」(20代前半/フリーランス)
- 「お金がたくさんあっても使いきれない。それよりも、自分にとって有意義な仕事でお金を稼ぎ使いたい」(20代後半/フリーランス)
一方、「商品/サービスを購入する際に意識すること」を聞いたところ、「自分らしさ/自分の価値観」が64%と大半を占めた。このように消費行動に対しても「個」を重視する傾向は顕著に現れ、コストパフォーマンスや口コミを上回り圧倒的な結果となった。
自分らしさを求める背景にあるのは「個」としての世界観だ。世間的な良い悪いではなく、自分にとって良いか悪いかを重視する傾向にあるようだ。
以下は回答者のコメントである。
「高くて自分に合わないものより、安くても自分に合うものを選びたい」(20代前半/フリーランス)
「情報に溢れる今、決めるのは他の誰でもなく自分」(20代後半/フリーラン)
「企業/組織への従属」から「個」を優先するミレニアル世代女子
筆者の母は80代であるが、この世代の女性としては珍しいキャリアウーマンだった。しかし、母の働き方への意識は「安定」や「企業/組織への従属」という考え方が根底にあったように思う。
ところが、ミレニアル世代女子の考え方は正反対のようだ。彼女たちは「個」を重視し、お金よりやりがいを求めている。さらに、女性には「出産」というライフステージもあることから、これについても「個」を優先した方が働きやすいと考えている女性が多いのではないだろうか。
img:PR TIMES