国際協力機構(JICA)は、3月25日、インドの金融機関Tata Cleantech Capital Limited(TCCL社)との間で、グリーンローン原則に沿った気候変動対策事業(再生可能エネルギー事業、省エネ事業、電気自動車推進事業)向け貸付資金として、100億円の融資契約に調印した。

融資はJICAの海外投融資制度を通じて融資され、また三井住友銀行(SMBC)との協調融資により実施される。

インドは現在世界第3位の温室効果ガス排出国であり、今後経済成長が加速するにつれて、温室効果ガスの排出量も一層増加することが懸念されるという。

インド政府は2016年にパリ協定を批准し、2030年までにGDP当たりの温室効果ガス排出量を33~35%削減することを掲げており、同目標達成に向けて、再生可能エネルギー発電(太陽光発電・風力発電等)の推進、省エネルギー機器の導入、電気自動車の普及等を進めている。

TCCL社は、インド最大規模の財閥であるタタ・グループと世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の共同出資により設立された金融機関であり、気候変動対策融資およびアドバイザリー業務に特化した民間初のグリーンバンク。

また、同社は国際的なグリーンバンクネットワークに加入したインド初の民間金融機関でもある。

同社はこれまで累計で980万キロワット超の太陽光・風力発電事業に融資し、約1,510万トンのCO2排出量削減に貢献しているとのことだ。

JICAの融資は、TCCL社による気候変動対策事業向け融資を支援し、インドの温室効果ガス排出量の削減に貢献するものであり、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール7、13に貢献する。

JICAは、今後もインドを含め世界各国における気候変動対策分野への支援を継続していくとともに、同分野に対する民間資金の動員を進めていくとのことだ。