ESG経営の実践を掲げるJR東日本では、環境問題への取り組みの一環としてフォーアールエナジー(以下、4R)が提供する電気自動車の再生バッテリーを、踏切保安装置の電源に活用することについて検討を行い、試験を進めている。

2021年1月から実施中のフィールド試験後に、常磐線および水戸線の踏切に試行導入をすると発表した。

JR東日本と4Rは、資源循環型社会の形成を目指し、再生バッテリーの鉄道設備へのさらなる活用に向けて、今後も連携していくとのことだ。

1.電気自動車バッテリーの踏切保安装置電源への活用について

JR東日本では、踏切がメンテナンス作業時などの一時的な停電時にも動作を継続できるよう、踏切の制御を行う全ての踏切保安装置にバッテリーを設置。

今回、このバッテリーに電気自動車の再生バッテリーを活用することで、環境にやさしい電源装置の活用を実現するとしている。

2.期待される効果

従来のバッテリーに比べて短時間でのフル充電が可能となり、長期間使用できることからコストダウンにもつながるという。

また、バッテリーの劣化を事前に把握することが可能となるため、より適正な取替計画を立てることができる。

さらに、電気自動車の再生バッテリーを利用することで、バッテリー製造時に発生する温暖化ガスの低減やコバルト、ニッケルといったバッテリー資源の効率的な使用を促進。

3.今後の展開予定

2021年4月以降、常磐線および水戸線の10か所程度の踏切に試行導入を行い、実設備での効果を見極めた後、さらなる導入拡大を目指すとしている。

また、踏切保安装置での検討を踏まえて、無線通信装置や駅設備など、踏切以外の電源装置への活用を検討していくとのことだ。