伊藤忠商事は、伊藤忠商事の100%子会社で給与前払いサービス事業を展開するマネーコミュニケーションズ(以下、MCI)を通じて、業界最低水準の手数料で、従業員向けに前払い給与をMCIが即時に送金する「立替払い型プラン」の提供を開始すると発表した。

人々の働き方の多様化に加え、昨今ではコロナ禍において賃金水準をはじめとする労働条件がより一層厳しくなる中、人材の獲得及び人材流出の防止を目的として給与前払いサービスを導入する企業が増加している。

一方、現状の給与前払いサービスの手数料相場は割高で、導入企業の従業員が手数料を自己負担していることも多いことから、より低価格なサービスが求められている。

加えて、導入企業にとっては、追加の資金準備や送金関連事務の負担が重くなる場合も多く、サービス事業者側に対する給与前払い資金の立て替えの要望も多くなってきている。

伊藤忠商事およびMCIは、2019年にサービス名を「プリポケ」として、給与前払いサービス事業に参入した。

伊藤忠グループが長年培った消費者向け金融サービスのノウハウやネットワークを活用し、安全・安心の給与前払いスキームを構築し、現在では、約5万人の従業員向けにサービスを提供している。

2020年3月27日に公表された給与前払いサービス事業に関する厚生労働省の見解を受けて、新たに「立替払い型プラン」の提供を開始。

同プランによって、導入企業による事前の資金準備と送金関連事務の煩雑さを軽減し、従業員に対しては、APIを活用したリアルタイム送金により必要な時に必要な資金を即時に提供することが可能となる。

加えて、同社の資金調達力や、連結子会社であるGardiaの信用保証機能を活かし、サービス提供に係る原価を大幅に抑え、サービス利用料を1.5%で提供し、多様な働き方を支援していくとのことだ。

伊藤忠商事は、リテール金融領域においてはポケットカードを中核として、Paidyをはじめとしたフィンテックベンチャーへの資本参画等により事業ポートフォリオを拡大している。

給与前払いサービスは、新たな金融事業の切り口として、総合的な金融サービスラインナップの拡充を図るのみならず、若年層を中心とした顧客基盤を拡充し、次世代金融サービスを担う最重要事業の一つと位置づけ、顧客接点の多様化やそこから生まれる新たなサービスの創出を目指していくとしている。