著者団体、出版社、電子書籍流通事業者、通信事業者等、関係各社が共同で
設立したABJは、9月29日、初の臨時設立社員総会を開催した。

総会には社員47法人、賛助団体8法人のうち計42法人がオンライン会議システムで出席し、ABJの2020年(半期)活動計画案、予算案を承認したという。

10月1 日にリーチサイト規制などを盛り込んだ改正著作権法が施行されるのに合わせて開催しており、ABJは本総会を経て、ネット上の海賊版対策の中核として本格的に活動を開始した。

なお10月19日時点での参加者は、社員56法人、賛助団体8法人となっているという。

ABJは、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、メディアドゥホールディングス(現・メディアドゥ)および公益社団法人日本漫画家協会の設立時社員6名によって、ネット上の海賊版対策の中核として7月1日に設立された一般社団法人。

「漫画村」事件は、電子書籍市場に関わる人々にとって記憶に新しいものだが、海賊版の被害は今も継続して発生しており、最盛期の漫画村を越えるア
クセスを集めているという。

出版界ではこの状況に対応すべく、著者、電子書籍流通事業者、通信事業者
の協力を得て「STOP!海賊版」キャンペーンを展開するとともに、電子書籍
の正規配信サービスであることを示す「ABJ マーク」を制定し、読者が正規の
サービスを認識できるよう画面上に掲示する活動を進めてきた。

9月16日現在で、181事業者、750サービスに交付済みだという。

このような海賊版対策活動は、短期間単発的に行えばよいというものではな
く、長期間持続的に行うことが必要であり、このような認識に基づき、直接的な
被害をうける著者、出版社、及び電子書籍流通事業者に加え、コンテンツ流通
に重要な役割を果たす通信事業者といった関係者が、協働して新たに「一般社
団法人 ABJ」を設立に至ったとのことだ。