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九州電力は、一般社団法人日本経済団体連合会(以下、経団連)が主導する「チャレンジ・ゼロ」に、参加表明するとともに、チャレンジ事例を登録したと発表した。
チャレンジ・ゼロは、経団連が打ち出した「脱炭素社会」の実現を目指す取組みであり、参加企業・団体は、脱炭素社会に向けたイノベーションにチャレンジすることを宣言するとともに、具体的なアクションを表明するもの。
今回同社は、「大型車向け大容量充放電器の開発」、「電動車で1次利用したリチウムイオン電池を大規模定置用蓄電池システムにリユースする仕組みの検証」、「バイオマス混合新燃料の開発」のチャレンジ事例を登録している。
大型車向け大容量充放電器の開発
同プロジェクトは、運輸部門の電化を推進することにより、低炭素で持続可能な社会の実現に貢献する取組み。
同社は、ESGの視点を重視し、環境にやさしく、利便性に優れた電気の良さや価値を、より多くの人に感じてもらうために、産業用、業務用など、あらゆる分野で電化を推進している。
しかし、大型車(路線バスやトラックなど)の電化については、運用面や導入コストの課題があり普及拡大が進んでいないという。
そこで、大型車向けの大容量充放電器を開発し、事業者の電気自動車(電気バスや電気トラックなど)導入を支援することで、運輸部門の電化推進に取り組むという。
電動車で1次利用したリチウムイオン電池を大規模定置用蓄電池システムにリユースする仕組みの検証
電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池は、充放電の繰り返しや経年変化により劣化し、単位重量・体積あたりのエネルギー密度が低下する傾向にあるという。
一方、このように1次利用した蓄電池は、電動車両以外の定置用蓄電池などの用途では、再利用(リユース)することで、新品の蓄電池よりも安価に活用できる可能性があるという。
同じ蓄電池を「運輸用途」から「定置用途」へ利用する方策を確立することで、再エネ普及の拡大、資源の有効活用などの環境負荷の低減に貢献するとしている。
バイオマス混合新燃料の開発
同プロジェクトは、環境負荷低減と経済性の両立を目指した、化石代替燃料開発の取組み。
経済性に優れるがCO2排出量が比較的多い石炭火力発電について、埋蔵量が豊富な褐炭(石炭の中でも水分や不純物の多い低品質なもの)と未利用木質バイオマスを活用したバイオマス混合新燃料を開発し、CO2排出削減と燃料資源の確保を目指すもの。
同社グループは昨年6月に公表した「九電グループ経営ビジョン2030」において、「九州のCO2削減必要量の70%削減に貢献」を経営目標に掲げ、電化の推進や再エネ・原子力等の非化石電源比率の向上など、九州の低炭素化に取り組んでいる。
今後も、低炭素で持続可能な社会の実現に貢献していくとのことだ。