世界最高峰のプロ野球リーグである米国のメジャーリーグベースボール(以下、MLB)は、ソニーのグループ会社Hawk-Eye Innovations(以下、ホークアイ)のプレー分析サービスを、7月に開幕した2020年シーズンから全30球場で導入したと発表した。
同サービスは、ホークアイの画像解析技術とトラッキングシステムにより、球場全体のボールや選手の動きをミリ単位の正確さで光学的に捉えてリアルタイムで解析しデータ化する。
各球場に設置された12台の高解像度ハイフレームレートカメラが撮影した映像を同期させて解析しているため、これまでのトラッキングデータに加えて、選手の三次元骨格データを計測して、選手の姿勢や動きを毎秒30コマのリアルタイムで解析することができるという。
これにより、投手・打者のフォームや投球内容、打球・バットの軌道、野手や走者の動き等、フィールド上での全てのプレーをより精密に確認・評価することが可能になるとのことだ。
このプレー分析サービスの導入について、MLBとホークアイとの間で、MLBの全30球場と複数のトレーニング施設を対象とした複数年契約が結ばれ、同サービスで得られたデータはMLBと所属の全30球団に提供される。
また、同サービスは、MLB独自のプラットフォームおよびGoogle Cloudと統合され、MLBのデータ解析ツール「Statcast(スタットキャスト)」にも反映されるため、試合の放送時にも活用されるほか、ファンもMLBの公式サイト等で実際の数値を確認して楽しむことができるとしている。
なお、MLBは2014年から、審判判定に異議を唱える「チャレンジ」の際に使われるビデオ判定システムの一部として、ホークアイの審判判定補助システム“SMART Replay(スマートリプレイ)”を活用。
ホークアイの審判判定補助システムやトラッキングシステムは、世界90か国以上、25種類以上の競技、年間3万回以上の試合で使われており、競技の公平性や選手の技術向上、試合の魅力向上に貢献しているという。
同社の創業者であるポール・ホーキンス氏は、「このプレー分析サービスは日本国内でも展開を進め、データ分析の分野からも競技の発展に貢献したいと考えています。今後も、最先端の技術を活用して各種競技の発展に寄与するとともに、ファンの方々にスポーツの新たな楽しみ方を提供していきます。」とコメントしている。