タカラバイオが、5月1日から発売した「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」を用いて、唾液を検体として迅速・簡便に新型コロナウイルスのPCR検査が行えることを確認したことを発表した。
従来新型コロナウイルスのPCR検査には、被験者の鼻や喉の奥から検体を採取する方法が行われてきたが、被験者に身体的な負荷がかかるだけでなく、採取時のくしゃみや咳により、採取する医療従事者への感染のリスクが高まるといわれており、被験者負担と感染リスクのより低い方法として、唾液を検体とする方法が求められてきた。
なお国立感染症研究所の「2019-nCoV(新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル~2020/06/02更新版~」にて、唾液検体の取扱いについて掲載されたのためで、唾液を検体とする同キットによる検査は、行政検査に使用できるだけでなく、公的医療保険の適用対象にもなるという。
同社によれば、唾液での検査は従来の方法と比較しても、同等の精度と感度を持つとのこと。さらに、PCR反応は約50分で行うことができるため、検査時間の大幅短縮も期待できるとのことだ。
タカラバイオによれば同キットは、すでに月産20,000キット(200万反応分)を安定的に供給できる製造体制を整えており、世界的な新型コロナウイルスのPCR検査需要に応えていきたいとしている。