埼玉高速鉄道は、首都圏の第三セクター鉄道として初めて軌道材料モニタリングを開始したと発表した。同社は、営業列車で取得した線路データを活用することで、CBM(Condition Based Maintenance)の推進とメンテナンス効率化を図るとしている。

東急電鉄は、相互直通運転を行う埼玉高速鉄道に対し、東急目黒線3020系に搭載された軌道材料モニタリング装置を貸し出し、埼玉スタジアム線内での測定を支援するとのことだ。

測定データの処理・分析については、日本線路技術が開発した保線管理システム「RAMos+」で行うという。同システムにより、各社が共通プラットフォーム上でデータ処理を行うことが可能になるとのことだ。

システムイメージ

東急目黒線3020系に搭載された同装置は、すでに東京メトロ線および東急線で運用中であり、今後は相鉄線でも運用開始予定。これにより、埼玉スタジアム線から相鉄新横浜線までを結ぶ広域区間で、相互直通の利点を生かした営業列車による効率的なメンテナンスが可能になるとしている。

埼玉スタジアム線内での本格運用は2026年6月に開始予定。対象区間は赤羽岩淵駅~浦和美園駅の上下線、軌道延長は計29.2km。

軌道材料モニタリング装置を搭載した東急目黒線3020系の測定区間

軌道材料モニタリング装置は、営業列車に搭載してレール状態などの線路データを高頻度で取得できる装置であり、線路状況をタイムリーに把握することが可能になるという。「RAMos+」を用いることで、鉄道各社は同じプラットフォーム上でアプリケーションを共有して使用でき、開発費の削減や技術発展が期待できるとしている。

軌道材料モニタリング装置