帝国データバンクは、「カレーライス物価指数」調査を実施し、結果を公表した。
2025年9月のカレーライス物価は1食あたり438円(前年同月364円)となり、前月比で+2円と4カ月ぶりに上昇へ転じた。コメや野菜類の価格上昇が背景にあり、今夏の価格安定局面から再び大幅な上昇へ向かう兆しがみられるとしている。

カレーライス物価は家庭で6食分をまとめて調理する想定で、原材料と水道光熱費を全国平均の小売物価等から独自試算したもの。前年同月比では+74円、+20.3%と15カ月連続で2ケタの上昇となった。カレーライス物価指数(2020年平均=100)は160.0で、指数160台は2025年6月以来3カ月ぶりとした。前年同月比のプラスは28カ月連続だが、伸び率は4カ月連続で縮小した。

費用内訳では、全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」が213円(前年同月205円、+8円)で、前月からは横ばいだったという。野菜のうち、主産地が北海道に切り替わるタマネギで高温・少雨による不作傾向が強まり出荷価格が上昇し、全体を押し上げた。「ごはん(ライス)」は193円で、前年同月131円から+62円・約5割増と大幅に上昇したとのことだ。「カレールー」は27円で市販ルーや食用油の価格上昇が一服し前月横ばい、水道光熱費は4円で変動はなかったという。
今後の見通しについて同社は、東京都区部の物価動向を基に予想した2025年10月のカレーライス物価が最高で1食460円台に達する可能性を示した。460円は比較可能な2015年以降で最高値となる水準だとしている。抑制要因だったコメ価格は、2025年産の流通量に不足感はないものの、コメ農家への概算金が前年比で倍近い水準に引き上げられ取引金額が高騰し、店頭では精米5キログラム当たり5000円超の高値が続いているという。コシヒカリ以外の銘柄米でも急騰がみられ、ごはん価格は再びカレー物価を大幅に押し上げる見通しとのことだ。野菜でも北海道産を中心にタマネギが記録的高値見込みで、値下がり要因に乏しいとしている。これらから、今秋までの430円台から一転し、今冬にかけ過去最高値の水準で推移することが予想されるという。
<参考>
帝国データバンク『「カレーライス物価指数」調査』
