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明光ネットワークジャパンは、私立高校の受験を予定している中学1年生~中学3年生の子どもを持つ全国の保護者1,000名を対象に、「私立高校無償化に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。
■私立高校無償化が志望校選びを後押し
私立高校の授業料が実質無償化になることで、志望校の選択肢は広がったか質問したところ、80.0%が「広がった」と回答。
経済的な負担が軽減されたことで、これまで候補に入れにくかった学校も視野に入るようになり、志望校選びに前向きな変化が見られた。

(n=1,000、単一回答方式)
■私立高校無償化、保護者の7割超が賛成
私立高校無償化制度についての賛否を調査した結果、74.4%が「賛成」、14.1%が「どちらともいえない」、9.6%が「反対」と回答。
多くの保護者が、経済的な負担軽減や進学機会の拡大につながる制度として評価していることが明らかになった。

■私立高校を志望する理由、最多は「学習環境・設備が整っている」
子どもが私立高校を志望する理由については、「学習環境・設備が整っている」が最多で、次いで「大学進学実績」、「無償化など経済面で通いやすい」が続いた。自由回答では「公立高校の滑り止めとして受験する」といった声も複数寄せられた。
学びの質や進学実績といった教育内容への期待に加え、経済的な負担軽減によって、私立高校をより身近に感じる保護者が増えていることがうかがえる。

■私立高校無償化が進学行動を変えた 保護者の約7割が「志望校選びに影響」と回答
私立高校無償化制度の導入が、子どもの志望校選びに与えた影響について、66.9%が「影響した」と回答。経済的負担の軽減により、より多くの学校を比較・検討する機会が増えたことがうかがえる。

(n=1,000、単一回答方式)
■無償化でも家計の負担続く 約9割の保護者が授業料以外の費用に負担感
授業料が実質無償化された場合でも入学金・教材費・制服代・交通費など授業料以外の費用について、89.9%が「負担を感じる」と回答。
授業料の軽減効果は大きいものの、家計負担の一部は依然として重くのしかかっていることが明らかになった。

■“出費ゼロ”ではない私立高進学 保護者が最も不安を感じる費用は「入学金」
私立高校にかかる費用の中で不安を感じる項目は、「入学金」が最多。次いで「修学旅行費」「施設整備費」が挙がった。
授業料の実質無償化が進む一方で、入学金やその他の学校関連費用が依然として家計に大きな負担となっていることがわかった。

■私立高校無償化で競争激化の懸念 7割超の保護者が入試難易度に不安
私立高校の授業料が実質無償化され、進学者が増えることで入試難易度や競争率に影響があるか聞いたところ、73.3%が「感じる」と回答した。
志望校の選択肢が広がる一方で、受験競争の激化を懸念する声が多く、制度の効果と課題が同時に現れていることがうかがえる。

■私立高校無償化に課題 授業料以外の費用・所得制限・地域差で不満の声多数
私立高校無償化制度について不満に感じる点としては「授業料以外の費用は対象外」が最多で、次いで「学校や地域で負担額に差がある」「所得制限がある」が続いた。制度のメリットを享受できる範囲や条件に不満を持つ保護者が多いことが明らかに。
授業料の軽減効果は大きい一方で、家計負担の格差や制度の適用条件に不満を持つ保護者が多いことがわかった。なお、2026年度からは所得による制限が撤廃される予定で、より多くの家庭が制度の恩恵を受けられる見込みだとしている。

【調査概要】
調査対象:私立高校の受験を予定している中学1年生~中学3年生の子どもを持つ全国の保護者1,000名
調査期間:2025年10月3日~2025年10月6日
調査方法:インターネットリサーチ調べ
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合がある。
<参考>明光義塾調べ「私立高校無償化に関する意識調査」