ダイハツ工業(以下、ダイハツ)、豊田中央研究所(以下、豊田中研)、トヨタ自動車九州(以下、トヨタ九州)は、トヨタ九州・小倉工場において、再生可能エネルギーを活用したマイクログリッドシステムの実証実験を開始したと発表した。

同実証では、トヨタ九州・小倉工場において、豊田中研とダイハツが共同開発したSPHを活用し、太陽光発電で作られた電気を部品製造ラインに供給するとともに、余った電気は蓄電池に貯めることで、効率的に電力を活用するマイクログリッドシステムを構築するという。
実際に稼働している製造ラインでの実証を通じて、システムの有効性ならびに信頼性を確認し、将来的にはエネルギーの地産地消や日中に蓄電した電気を夜間に使用するピークシフトを実現することで、CO2排出量の削減につなげていくとしている。
同実証で構築されるマイクログリッドシステムは、新開発の3ポート(「発電」「蓄電」「使用」の3方向接続)電力変換器「SPH」により、効率的な「直流主体のマイクログリッドシステム」を実現。
従来の交流主体のシステムと比較し、直流と交流間の変換回数が少なくなり、エネルギーロスを約45%削減するという。
また、既存の小型電動車用のインバータなどの自動車用部品を活用し改良することで、低コストかつコンパクト化を実現。小規模な事業所などへの導入も可能だとしている。
さらに、1秒間に1,000回以上の超高速制御により、再エネからの発電量が低下した場合でも、蓄電池から瞬時に充当させることができるため、瞬間的な停電時においても電力供給が継続でき、生産ラインの停止やデータの消失といったリスクを防止できるという。
ダイハツ、豊田中研、トヨタ九州の3社は、今後もカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献していくとのことだ。