ソニー銀行と富士通は、富士通が提供する次世代勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」を活用した新たな勘定系システムにおいて、生成AIを用いた機能開発を開始した。2026年4月までに、すべての勘定系システム機能開発へ生成AIの適用を拡大する方針である。

同システムは、クラウドネイティブ構造を備えた「xBank」を基盤とし、ソニー銀行は2025年5月時点で全システムのクラウド移行を完了している。今回の取組は、そのクラウド環境を最大限に活用し、AIドリブンな開発エコシステムを構築する第一歩と位置づけられている。

両社はまず、開発およびテスト領域において、富士通独自のナレッジグラフ拡張RAG技術を導入するという。この技術は、保有する大規模データ群を相互に関連付け、生成AIへの入力データの精度を高めるもの。生成AIはこの情報をもとに出力内容の精度を向上させることができるとのことだ。

将来的には、管理・要件定義・運用保守を含むすべてのシステム開発工程に生成AIを適用し、開発期間の20%短縮を目指す。開発はすべてAmazon Web Services(AWS)上で完結し、高度なスケーラビリティおよびセキュリティを確保するという。

ソニー銀行は今後、クラウドネイティブな勘定系システムを通じて、外部サービスとの柔軟な連携や新技術の導入を進め、開発効率および品質の向上、ならびに迅速な商品・サービス提供を実現する方針である。

富士通は、「Fujitsu Core Banking xBank」を軸とし、「Uvance for Finance」による最新テクノロジーの提供を通じて、金融業界の高度化と社会全体の豊かさの実現を支援するとしている。